最終更新:2026年9月6日公開:2026年8月5日編集方針と検証の手順
見積書に「足場」という行がある。金額はそれなりに大きい。塗る作業ではないのに、なぜこれだけかかるのか。他社は「足場代は無料」と言っている。
足場は、作業のための台ではありません。労働安全衛生規則で構造と点検が定められた設備です。省いたり簡略にしたりできる部分ではありません。
この記事では、厚生労働省と北海道労働局が公表している資料をもとに、足場に何が求められているのか、見積書のどこを見るのか、北海道で何が変わるのかを整理します。
なお、この記事は工事を請け負う立場で書いたものではありません。掲載する内容は一般的な整理で、実際の判断は現地の確認によります。
結論:足場は削れない工程
先に要点を示します。
- 足場は法令で構造と点検が定められた設備です
- 令和6年4月から、原則として本足場を使うことになりました
- 悪天候や地震のあとは点検が義務づけられています
- 「足場代無料」は、どこかに含まれていると考えるのが自然です
見積書では、足場の面積と単価が書かれているかを見てください。金額の大小より、根拠が示されているかどうかが重要です。数字があれば、他社の見積もりと同じ土俵で比べられます。
この記事で扱わないこと
- 見積書全体の読み方 … 見積書はどこを見る?
- 工事全体の流れと工期 … 工事の流れと工期
- 北海道の費用相場 … 北海道の外壁塗装の費用
- 業者の選び方 … 外壁塗装業者の選び方
足場は何のためにあるか

足場には、いくつかの役目があります。
作業する人の安全
これが第一の目的です。厚生労働省は、建設工事の現場での災害により、一人親方等を含めた建設工事従事者全体で年間約400人が亡くなっていると公表しています。墜落災害はその代表です。
足場は、この災害を防ぐための設備です。作業を楽にするためのものではありません。
この点を押さえておくと、見積書の見え方が変わります。足場は施主の利益のためだけにある費用ではなく、現場で働く人の命に関わる設備です。値切る対象として考えるのが適切でない理由が、ここにあります。
仕上がりの質
安定した足場があれば、両手が使えます。塗る面と同じ高さに立てるため、隅まで手が届きます。
はしごや脚立での作業では、体を支えながら片手で塗ることになります。塗り残しや厚みのむらが出やすくなります。
加えて、脚立では立てる位置が限られます。同じ場所から手の届く範囲を塗って、また移動するという進め方になり、つなぎ目が残りやすくなります。足場があれば、面として一気に塗り進められます。
近隣への飛散防止
足場の外側には、飛散防止のシートを張ります。洗浄の水と塗料の飛沫を、敷地の外に出さないためです。
足場がなければ、このシートを張る場所もありません。近隣への配慮という面でも、足場は工事の前提になっています。
ただしシートは、風を受ける面にもなります。強風のときはシートをたたむ、一部を開けるといった対応がとられます。工事中にシートがまくられている日があっても、それ自体は不自然なことではありません。
出典:厚生労働省「足場からの墜落防止措置が強化されます」(改正労働安全衛生規則)
法令で定められていること

足場については、労働安全衛生規則が改正され、要求が強化されています。

令和5年から順次施行された3つの改正
厚生労働省は、足場からの墜落防止措置の強化について次の3点を挙げています。
| 改正の内容 | 根拠 | 施行 |
|---|---|---|
| 一側足場の使用範囲の明確化 | 安衛則第561条の2(新設) | 令和6年4月1日 |
| 点検時に点検者の指名が必要 | 安衛則第567条、第568条、第655条 | 令和5年10月1日 |
| 点検者の氏名の記録・保存が必要 | 安衛則第567条、第655条 | 令和5年10月1日 |
本足場が原則になった
厚生労働省の資料は、「幅が1メートル以上の箇所において足場を使用するときは、原則として本足場を使用することが必要になります」としています。
ここでいう「幅が1メートル以上の箇所」とは、足場を設ける床面において、建築物等の外面を起点としたはり間方向の水平距離が1メートル以上ある箇所を指すと定義されています。
本足場は、支柱が2本並ぶ構造です。片側だけの一側足場より安定します。敷地に余裕があるなら、本足場を組むのが原則ということになります。
同資料は、幅が1メートル未満の場合であっても可能な限り本足場を使用してくださいとしています。1メートルという数値は、そこを下回れば一側足場でよいという意味ではないということです。
例外もある
同資料は、つり足場の場合や、障害物の存在その他の足場を使用する場所の状況により本足場を使用することが困難なときは本足場を使用しなくても差し支えありませんとしています。
困難な場合の例として、撤去が困難な障害物があるとき、建築物の外面の形状が複雑で1メートル未満ごとに隅角部を設ける必要があるとき、屋根等に足場を設けるときなどが挙げられています。
また、幅が1メートル以上確保できていても、その一部が公道にかかる場合や使用許可が得られない場合など、管理の範囲外である場合は含まれないとされています。
点検者を指名する
令和5年10月から、事業者及び注文者が足場の点検を行う際は、あらかじめ点検者を指名することが必要になりました。
資料は、点検者について足場の組立て等作業主任者であって能力向上教育を受講している者や、労働安全コンサルタント等、十分な知識・経験を有する者を指名することが適切としています。
さらに、組立て・一部解体・変更等の後の点検については、点検者の氏名を記録・保存することが必要とされています。
出典:厚生労働省「足場からの墜落防止措置が強化されます」(改正労働安全衛生規則)
足場の種類

住宅の外壁塗装で使われる足場には、いくつかの形式があります。
| 種類 | 特徴 | 使われる場面 |
|---|---|---|
| くさび緊結式足場 | 部材を差し込んで組む。住宅で広く使われる | 戸建て全般 |
| 枠組足場 | 門型の枠を積む。強度がある | 規模の大きい建物 |
| 単管足場 | 鋼管をクランプでつなぐ | 狭い場所、複雑な形 |
| 一側足場 | 支柱が1列。幅がとれない場所 | 使用範囲が明確化された |
どれを使うかは、敷地の広さと建物の形で決まります。施主が選ぶものではありませんが、なぜその形式かは聞いて構いません。
一側足場の位置づけが変わった
表の4番目にある一側足場は、支柱が1列だけの構造です。狭い場所で使われてきましたが、令和6年4月からは使用できる範囲が明確化されました。
幅が1メートル以上とれる場所では、原則として本足場を使うことになります。敷地に余裕があるのに一側足場という提案があれば、理由を聞いてください。
作業床との間隔
厚生労働省の資料は、足場の使用に当たっては建築物等と足場の作業床との間隔が30センチメートル以内とすることが望ましいとしています。
離れすぎていると、作業者が身を乗り出すことになります。近すぎれば塗る作業がしにくくなります。この距離にも考え方があるということです。
出典:厚生労働省「足場からの墜落防止措置が強化されます」(改正労働安全衛生規則)
悪天候のあとは点検する

足場は、組んだあとも点検が求められます。

点検が必要になる場面
北海道労働局は、事業者は強風、大雨、大雪等の悪天候若しくは中震以上の地震又は足場の組立て、一部解体若しくは変更の後において、足場の作業を行うときは、作業を開始する前に点検を行い異常を認めたときは直ちに補修しなければならないと説明しています(労働安全衛生法第20条、労働安全衛生規則第567条)。
「強風」「大雪」の定義
同資料は、解釈例規で示されている定義を次のように挙げています。
| 用語 | 定義 |
|---|---|
| 強風 | 10分間の平均風速10m/s以上 |
| 大雨 | 一回の降雨量50mm以上 |
| 大雪 | 一回の降雪量25cm以上 |
| 中震 | 震度4以上 |
数値で線が引かれているという点が重要です。「今日は風が強かった気がする」という感覚ではなく、基準があるということです。
これらの数値は、気象台が公表するデータで確認できます。工事中に大きな天候の変化があった場合、その前後で点検が入っているかどうかは、工程の記録に残ります。
点検は9項目
点検すべき項目も定められています。同資料が挙げているのは次の9項目です。
- 床材の損傷、取付け及び掛渡しの状態
- 建地、布、腕木等の緊結部、接続部及び取付部のゆるみの状態
- 緊結材及び緊結金具の損傷及び腐食の状態
- 交さ筋かい、幅木、手すりわく、手すり、中さん等の取りはずし及び脱落の有無
- 幅木等の取付状態及び取りはずしの有無
- 脚部の沈下及び滑動の状態
- 筋かい、控え、壁つなぎ等の補強材の取付状態及び取りはずしの有無
- 建地、布及び腕木の損傷の有無
- 突りょうとつり索との取付部の状態及びつり装置の歯止めの機能
さらに、点検の結果は記録し、工事終了まで保管しなければならないとされています。
出典:北海道労働局「強風・大雨・大雪・地震等の際の足場の点検について」
北海道で効いてくること
これらの規定は、北海道の工事でとくに意味を持ちます。
大雪の基準は現実的な数字
「一回の降雪量25cm以上」という基準は、北海道では珍しくありません。冬をまたいで足場が立っていれば、点検が必要になる場面は何度も来ます。
北海道労働局の資料も、北海道はこれから台風に引き続き、大雪の時期を迎えますとして、倒壊災害の防止を呼びかけています。
冬をまたぐ工事は前提を確認する
秋に工事が始まり、天候で遅れて冬に入るという流れがありえます。この場合、足場をどうするかが問題になります。
そのまま残すなら、雪の点検が要ります。いったん解体して春に組み直すなら、その費用が発生します。どちらの扱いになるのかを、契約の段階で決めておいてください。
とくに、遅れた原因が天候なのか段取りなのかで、費用の負担の考え方は変わります。「天候による遅延の場合はどうするか」を契約書に書いておけば、あとで話がこじれません。
時期の考え方は北海道で外壁塗装ができる時期にまとめています。
雪と足場の関係
足場に雪が積もると、重さがかかります。飛散防止のシートが張られていれば、そこに雪が乗ります。
屋根からの落雪が足場に当たることもあります。無落雪屋根でない住宅では、この点も考える必要があります。屋根の形と雪の処理は無落雪屋根の塗装で扱っています。
地面の状態
点検項目の6番目に「脚部の沈下及び滑動の状態」があります。足場は地面に立っています。
春先の土は、凍結と融解でゆるんでいることがあります。庭土の上に組む場合、敷板をどうするかは現場の判断です。地面が舗装されているかどうかで、条件が変わります。
雪解けの直後は、地面がとくにやわらかくなります。北海道で春先に工事を始める場合、この点も条件のひとつになります。
出典:北海道労働局「強風・大雨・大雪・地震等の際の足場の点検について」
「足場代無料」をどう考えるか
広告や訪問での営業で、この言葉を聞くことがあります。
実際に費用は発生している
足場は、部材を運び、組み、解体し、運び出す作業です。資材の費用と人件費が実際に発生します。無料にできる工程ではありません。
厚生労働省も、労働災害防止対策を確実に実施するため安全衛生経費については適切に確保してくださいと呼びかけています。足場は、その安全衛生経費の中心にあるものです。
総額で比べる
「足場代無料」という提案があった場合、その分が他の項目に含まれていないかを確認してください。塗料代や施工費に上乗せされていれば、総額は変わりません。
比べるべきは、総額と、その内訳の妥当性です。項目ごとに無料かどうかを見ても意味がありません。
足場の金額そのものは、業者によって大きく変わる部分ではありません。面積の出し方と単価がそろっていれば、近い数字になるのが自然です。極端に安い場合も高い場合も、根拠を聞く理由になります。
値引きの位置づけを聞く
値引き自体が問題というわけではありません。なぜその値引きができるのかを聞いてください。説明できるなら、それは判断材料になります。
その場で契約すれば安くなる、という進め方には注意が必要です。訪問販売への対応は訪問販売への対応で扱っています。
出典:厚生労働省「足場からの墜落防止措置が強化されます」(改正労働安全衛生規則)
組立てと解体の日

足場は、工事の最初と最後に音が出る作業です。
半日から1日かかる
一般的な戸建てで、組立てに半日から1日程度が目安です。解体も同じくらいかかります。部材の運搬があるため、トラックが停まる場所も必要になります。
道路に停める場合、近隣の通行に影響が出ます。いつ組むのか、いつ解体するのかを、事前に近所へ伝えておいてください。
金属音が出る
足場の部材は金属です。組み立てるときも解体するときも、ぶつかる音、差し込む音が出ます。塗装中の作業音とは種類が違います。
この2日だけは、近隣にとって負担が大きい日です。あいさつのときに「この日は音が出ます」と伝えておくだけで、受け止め方が変わります。
解体は工事が終わってから
塗った塗料が乾くまでは解体できません。解体の日程が延びるのは、乾燥を待っているためであることがあります。
乾燥に必要な日数は、塗料と気象条件で変わります。解体の日が動く可能性があることは、最初から見込んでおいてください。
「早く外してほしい」と伝えたくなる場面もありますが、乾く前に足場を外すと、部材が塗面に当たって傷が付きます。工期の考え方は工事の流れと工期にまとめています。
解体後の確認
足場を外したあとは、足場があった場所の周辺を確認してください。部材が当たった跡、地面のへこみ、外構の傷がないかを見ておきます。
足場に隠れていた部分の仕上がりも、このタイミングで初めて見えます。気になる箇所があれば、引き渡しの前に伝えてください。
見積書での見方

足場は、見積書で確認しやすい項目のひとつです。
- 面積 … 平方メートルで書かれているか
- 単価 … 面積あたりいくらか
- 飛散防止シート … 含まれているか、別か
- 運搬費 … 別に計上されているか
- 屋根足場 … 必要なら別項目になっているか
- 解体・撤去 … 組立てと合わせて計上されているか
1番目の面積は、外壁の面積とは別の数字です。足場は家の外周を囲むように組むため、外壁より大きくなります。
足場面積の考え方
足場の面積は、家の外周に高さをかけて出すのが一般的です。家の周りに一定の距離をとって組むため、その分だけ外周が長くなります。
細かい計算方法は業者によって差がありますが、面積の数字が書かれているかどうかがまず重要です。書かれていれば、他社と比べられます。
屋根足場が要る場合
屋根の勾配が急な場合、屋根の上に別の足場が必要になることがあります。これは外壁の足場とは別の費用です。
屋根も同時に塗る場合、この項目があるかを確認してください。屋根の工事は屋根材ごとの塗装の可否で扱っています。
敷地の条件で変わること

同じ大きさの家でも、敷地の条件で足場の組み方が変わります。
隣家との距離
隣家との間が狭いと、足場を組む幅がとれません。本足場が原則とされる一方で、場所の状況によって困難なときの例外も定められているのは、こうした事情があるためです。
隣地に足場の一部がかかる場合は、隣家の承諾が必要になります。誰がいつ話をするのかを、事前に決めておいてください。
道路にかかる場合
足場が道路にかかる場合、道路使用の許可が要ることがあります。手続きにかかる時間も工期に含まれます。
厚生労働省の資料も、幅が1メートル以上確保されていてもその一部が公道にかかる場合や使用許可が得られない場合は含まれないとしています。
庭と外構
庭木、物置、カーポート、室外機といったものが外壁の近くにあると、足場を組む場所が制限されます。移動が必要になるものがあるかを、見積もりのときに確認してください。
移動できないものがある場合、その部分だけ別の方法をとることになります。どう対応するのかを聞いておくと、当日の食い違いが減ります。
庭木は、枝を切らせてもらえるかという相談になることがあります。大切にしている木があれば、見積もりのときに伝えておいてください。足場の位置を工夫できる場合もあります。
出典:厚生労働省「足場からの墜落防止措置が強化されます」(改正労働安全衛生規則)
足場が組まれてから見るところ
組み上がったら、地上から確認できることがあります。
- 脚部 … 地面に沈んでいないか、敷板があるか
- 手すり … 各段に付いているか
- シート … 破れ、外れがないか
- 壁つなぎ … 建物と足場をつなぐ部材があるか
- 出入口 … 玄関が使えるか
- 近隣側 … 隣家に接触していないか
これらは地上から見える範囲で確認できます。足場に上がる必要はありません。
4番目は見落とされやすい部分です。足場は建物とつないで安定させます。つなぐ部材がどこにあるかを見ておいてください。点検項目の7番目に「壁つなぎ等の補強材の取付状態及び取りはずしの有無」が挙げられているのは、この部材が安定に直結するためです。
足場には上がらない
確認のために自分で足場に上がるのは避けてください。足場は作業者のために組まれたもので、施主が上がることを前提としていません。
また、点検の記録は事業者が保管するものです。気になる箇所があれば、写真を撮ってもらってください。
子どもと防犯
足場があると、2階まで登れる状態になります。子どもが上がらないよう、出入口をふさぐ措置がとられているかを確認してください。
防犯の面でも、足場のある期間は窓の施錠を意識しておくほうが安全です。2階の窓も含めて確認してください。
足場を活かして他の工事もやるか
足場を組むのは、それ自体に費用がかかります。だから、足場が立っているあいだに済ませられることは、まとめて考える価値があります。
同時にできること
- 屋根の塗装 … 足場を共用できます
- 雨どいの交換 … 高所の作業です
- 破風・軒天の補修 … 手が届く位置になります
- シーリングの打ち替え … 外壁と同時が基本です
- アンテナや設備の点検 … 屋根に上がる作業です
2回に分ければ、足場の費用が2回発生します。次に足場を組むのは10年後かもしれないと考えると、判断が変わることがあります。
ただし無理にまとめない
「足場があるうちに」という理由だけで、必要のない工事を足す必要はありません。まだ持つものを先に交換しても、その分だけ費用が前倒しになるだけです。
判断の基準は、次の10年で必要になりそうかです。傷みが進んでいるなら同時に、まだ余裕があるなら見送るという整理ができます。
屋根と外壁の順番
屋根と外壁を同時にやるかどうかは、それぞれの傷み具合によります。片方だけ先にやると、次に足場を組むときにもう一度費用がかかります。
判断の材料は屋根と外壁を同時にやるべきかにまとめています。
よくある質問
足場は何日立っていますか
工事の全期間です。塗装が終わって乾くまで解体できません。天候で工期が延びれば、その分だけ長くなります。
足場だけ先に組んでもらえますか
点検のために先に組むことはあります。ただし立てている期間が長くなるほど、点検の回数も増えます。必要性を含めて相談してください。
足場なしで塗る業者がいます
平屋の一部や、手の届く範囲だけの補修であれば、足場を使わない場合もあります。ただし2階建ての外壁全面を足場なしで塗るという提案は、確認する理由になります。
隣家に迷惑がかかりませんか
音、視線、日当たりへの影響が出ることがあります。工事の前にあいさつをしておいてください。足場を組む日と解体する日は、とくに音が出ます。
洗濯物は干せますか
足場とシートで囲まれている期間は、外に干せません。期間の見込みを先に聞いておいてください。
足場代だけ他社と大きく違います
面積の出し方が違う可能性があります。まず面積の数字がそろっているかを見てください。面積が違えば、金額を比べても意味がありません。
近隣の敷地に足場が入ります
隣地に一部でもかかる場合は、隣家の承諾が必要になります。誰がいつ話をするのか、業者と決めておいてください。工事の前のあいさつと合わせて進めるのが一般的です。
台風が来たらどうなりますか
事業者は、悪天候のあとに点検を行うことが求められています。強風の基準は10分間の平均風速10m/s以上とされています。心配なときは、点検をしたかどうか聞いて構いません。
足場がある期間の暮らし

足場は、住みながらの工事では生活にも影響します。
暗くなる
飛散防止のシートで囲まれるため、室内に入る光が減ります。とくに北向きの部屋は、日中でも照明が要る状態になることがあります。
この期間がどれくらい続くかを、先に聞いておいてください。2週間程度で終わると分かっていれば、受け止め方が変わります。
窓が開けられない日がある
洗浄の日と、塗装をしている日は窓を閉めます。塗料のにおいが入るためです。換気をどうするか、事前に確認しておいてください。
ペットや小さな子どもがいる場合は、その旨を伝えておくと配慮してもらえることがあります。使う塗料の種類によって、においの出方が変わります。
出入りの経路
玄関の前に足場が組まれることがあります。通れる高さが確保されているか、頭をぶつけないかを確認してください。
宅配便や来客のことも考えると、足場のある期間は玄関まわりに余裕がなくなると考えておくほうが現実的です。
物干しと駐車
洗濯物は外に干せません。車も、期間中は別の場所に置く必要が出ることがあります。敷地の広さによっては、近くに駐車場を借りることも検討材料になります。
これらは工事の前に分かることです。見積もりの段階で、生活への影響も一緒に確認しておいてください。
まとめ
足場は、塗る作業の準備ではありません。労働安全衛生規則で構造と点検が定められた設備です。令和6年4月からは、幅が1メートル以上の箇所では原則として本足場を使うことになりました。
悪天候や地震のあとは点検が求められ、大雪は一回の降雪量25cm以上という基準が示されています。北海道では、この条件に該当する場面が実際に起こります。
だから「足場代無料」という言葉は、費用が消えたのではなく、どこかに含まれていると考えるのが自然です。比べるべきは総額と内訳の妥当性です。
見積書では、足場の面積と単価が書かれているかを見てください。数字が示されていれば、他社と比べる土台ができます。
そして、足場が立っている期間は、屋根やその他の高所の工事もまとめて考えられる機会です。次に足場を組むのが何年後かを考えたうえで、必要なものを見きわめて判断してください。無理にまとめる必要はありません。
足場を架けずにできる範囲がどこまでかについては、外壁塗装のDIYにまとめています。
塗る範囲を狭めても足場の費用は残ります。範囲の決め方は部分塗装の記事で扱っています。
ドローンを使った点検の法令と限界は外壁のドローン点検にまとめています。
本記事は足場に関する法令上の要求と見積書の見方についての一般的な整理で、個別の工事における適法性や必要な措置を判断するものではありません。労働安全衛生法令上の義務は事業者及び注文者が負うもので、施主が点検を行うものではありません。適用の可否や具体的な措置は、現場の状況に応じて事業者が判断します。足場への立ち入りは行わないでください。

