外壁塗装のにおい|正体と続く期間、北海道特有の悩み

塗装の時期

最終更新:2026年9月6日公開:2026年8月9日編集方針と検証の手順

工事の日程が決まると、次に気になるのがにおいです。小さな子どもがいる、在宅で仕事をしている、ペットを飼っている。

日中に家にいる人ほど、不安は大きくなります。

調べてみると「3日間で収まる」「F☆☆☆☆の塗料なら安心」といった説明が出てきます。ただ、根拠を確かめるとどちらも別の話だったというのが実際のところです。

使う材料は、厚生労働省・国土交通省・環境省・総務省の公開資料と、塗料メーカーの説明です。においの正体と、健康影響を測る物差し、そして北海道で選べる塗料の制約を整理します。

なお、当サイトは工事の依頼や見積もりを受け付けていません。掲載する数値は出典時点のものです。

結論:においの正体と、確かめられること

養生シートに覆われた工事中の住宅

においの主因は、塗料を薄めるために使われる有機溶剤です。押さえておきたいのは次の点になります。

  • においが出るのは溶剤形の塗料です。水性は水で薄めるため、臭気は少なくなります
  • 健康影響には「室内濃度指針値」という物差しがあります。厚生労働省が物質ごとに値を定めています
  • 戸建ての塗り替えを直接規制する法令は見当たりません(自治体の条例や民事上の責任は別)。だからこそ、配慮は自主的なものになります
  • 北海道では気温の制約で、においの少ない水性を選べない日があります

この記事で扱わないこと

においの正体は有機溶剤

塗料を撹拌する職人の手元

においを決めているのは、塗料を薄めるための液体です。塗料は樹脂や顔料を液体で薄めて、塗れる状態にしています。

溶剤形の塗料は、シンナーなどの有機溶剤で希釈されています。塗ったあと乾く過程で溶剤が揮発し、あの独特のにおいになります。

揮発する成分をまとめて揮発性有機化合物(VOC)と呼びます。トルエンやキシレン、エチルベンゼンといった物質が代表です。

つまり、においは塗膜ができる過程で出る一時的なものです。乾いてしまえば揮発する成分は減っていきます。

塗料業界全体では、この揮発分を減らす動きが進んできました。経済産業省の審議会に出された資料によると、2022年度の塗料からのVOC排出量は20.8万トンで、2000年度比で61.1%減とされています。

日本塗料工業会は、VOC成分の含有量が30重量%以下の塗料に「低VOC塗料」の自主表示を行っています。においの少ない選択肢は、以前より増えています。

出典:経済産業省 産業構造審議会 提出資料(出典:日本塗料工業会・令和6年2月20日)日本塗料工業会「低VOC塗料」

水性と溶剤形は何が違うか

水性塗料と溶剤形塗料の缶が並ぶ

違いは、何で薄めるかです。水性は水、溶剤形は有機溶剤で希釈します。

水性塗料と溶剤形塗料の違い
水性塗料と溶剤形塗料の違い
  水性塗料 溶剤形塗料
希釈するもの 有機溶剤(シンナー等)
臭気 少ない 強い
低温での使用 5℃以下では使えない 低温下での乾燥が速い
弱点 降雨や結露で仕上がり不良が生じやすい 臭気が出る

性能そのものの差はどうか。エスケー化研は水性と溶剤形について「性能的に大きな差はありません」と説明しています。

「においが強いほど長持ちする」という説明を聞くことがありますが、メーカーの記述はそうなっていません。においの強さと耐久性を結びつける根拠は、確認した資料の中にありませんでした。

出典:エスケー化研「よくあるご質問(塗料の性能)」日本ペイント「よくあるご質問(水性塗料と溶剤形塗料)」

北海道では水性が使えない日がある

冷え込んだ朝の住宅と外気温計

においの少ない水性を選びたいところですが、北海道には気温の壁があります。エスケー化研の説明を引きます。

「水性塗料は溶剤形塗料に比べ、臭気が少ないので、環境に優しい塗料と言えます。しかし、5℃以下の低温下では使えないことから、寒冷地等の低温下においては、溶剤形の塗料の方が適しております」。

春先や晩秋は、日中でも5℃を下回る日があります。においの少ない選択が、気温によって制限されるわけです。

市町村ごとに向く時期は違います。当サイトが気象庁の平年値から作った市町村別の塗装カレンダーで、お住まいの適期を確かめてください。

出典:エスケー化研「よくあるご質問(塗料の性能)」

塗料メーカーが挙げる溶剤形の利点

溶剤形が残っているのは、においを我慢するだけの理由があるからです。日本ペイントは両者の特徴をこう説明しています。

水性については「塗装中や生乾きの状態で降雨や結露にさらされると、仕上がりの不良が生じやすい、というデリケートな側面があります」。

溶剤形については「塗膜の光沢感・仕上がり肌が良く、低温下での乾燥が速く、塗装作業性に優れるメリットがあります」。

朝晩の冷え込みと結露が重なる北海道の条件では、この差が効いてきます。においだけで決められないのは、こうした事情によります。

出典:日本ペイント「よくあるご質問(水性塗料と溶剤形塗料)」

「弱溶剤」という中間の選択肢

水性と溶剤形のあいだに、弱溶剤と呼ばれる区分があります。強い溶剤(トルエン・キシレンなど)ではなく、塗料用シンナーで希釈するタイプです。

においは水性より強く、強溶剤より弱い、という位置づけになります。既存の塗膜との相性で選ばれることもあります。

製品名を見ただけでは判別しにくいことがあります。製品名をもとに、メーカーの仕様書か業者に確認するのが確実です。

製品ごとの仕様は、メーカーのカタログや技術資料に書かれています。業者に頼めば、該当ページを見せてもらえます。

においが強い期間はいつか

においが集中するのは、塗料を実際に塗る工程です。外壁塗装は下塗り・中塗り・上塗りと重ねるため、この日数が目安になります。

ただし「においは約3日間」という数字に、公的な裏づけは確認できませんでした。工程から逆算した業界の経験則と考えられます。

実際は、塗る面積、塗料の種類、気温と風で変わります。乾きにくい条件が続けば、揮発の期間も延びます。

北海道の春先や晩秋は、気温が低く乾きに時間がかかります。同じ塗料でも、真夏より長く感じることがあります。

正確に知りたいなら、工程表で塗装の日を確かめるのが確実です。「何日にどこを塗りますか」と聞けば答えてもらえます。

においが消える日を正確に約束できるものではありません。期間を保証する説明が出てきたら、その根拠を聞いてみてください。

工程のどこでにおいが出るか

工程表を確認する住まい手と職人

においが出るのは、塗料を扱う工程に限られます。外壁塗装の流れは、足場・洗浄・下地処理・養生・塗装・点検・片付けと進みます。

一般的な3工程の仕様では、このうち塗装が3回になります。下塗り、中塗り、上塗りです。

溶剤形を使う場合、この日ににおいが集中します。

逆に、足場を組む日や高圧洗浄の日は塗料を使いません。においの心配がある日と、そうでない日は分かれます。

付帯部の塗装が別日になることもあります。雨戸や樋、破風といった部分です。

工程表では、外壁と付帯部の日程を分けて確認してください。付帯部の扱いは付帯部の塗装にまとめています。

健康影響は指針値という物差しで見る

厚生労働省が、室内空気中の化学物質について室内濃度指針値を定めています。健康影響を考えるときの手がかりは公開されています。

厚生労働省の室内濃度指針値(塗料に関わる物質)
厚生労働省の室内濃度指針値(塗料に関わる物質)

塗料に関わりの深い物質を抜き出すと、次のとおりです。

物質 室内濃度指針値
トルエン 260μg/m3(0.07ppm)
キシレン 200μg/m3(0.05ppm)
エチルベンゼン 370μg/m3(0.085ppm)
ホルムアルデヒド 100μg/m3(0.08ppm)
スチレン 220μg/m3(0.05ppm)

これらは室内空気中の濃度についての目安です。屋外作業の危険性や、においの強さそのものを判定する基準ではありません。

それでも、窓や換気口から室内に入る分を考えるときの参考にはなります。

指針値のほかに、総揮発性有機化合物(TVOC)の暫定目標値も示されています。ただし通知は、これを「毒性学的知見から決定したものではなく」「個別のVOC室内濃度指針値とは独立に扱われなければならない」としています。

数字そのものを覚える必要はありません。公的な物差しが存在することを知っておくだけで、漠然とした不安が具体的な話になります。

出典:厚生労働省「室内空気中化学物質の室内濃度指針値及び標準的測定方法について」(令和7年1月17日)

エチルベンゼンの指針値が2025年に改定された

令和7年1月17日の通知で、エチルベンゼンの指針値が3,800μg/㎥から370μg/㎥へ改定されました。この分野は動いています。

通知の原文はこうです。「今般、最新の知見に基づいてエチルベンゼンの有害性評価を実施し、エチルベンゼンの室内濃度指針値を3,800μg/㎥から370μg/㎥に改定した」。

10分の1近い引き下げです。改定の根拠は、ラットの吸入暴露における聴覚への影響とされています。

通知は「令和8年3月末を目標に、エチルベンゼンの新室内濃度指針値に対応するための取組を進めていただくよう」とも求めていました。この記事の時点で、その目標日は過ぎています。

同じ通知では、キシレンの指針値も平成31年に改定されたことが示されています。指針値は固定されたものではなく、知見に応じて見直されるという前提で読んでください。

塗装のにおいを扱う解説記事で、この改定に触れているものは見当たりませんでした。数値を引くなら、最新の通知を確かめる必要があります。

出典:厚生労働省「室内空気中化学物質の室内濃度指針値及び標準的測定方法について」(令和7年1月17日)

指針値は規制値ではない

指針値は、守らなければ違法という基準ではありません。位置づけも通知に書かれています。

原文では、指針値を「化学物質の不必要な暴露を低減させ」ることを目的に定めたものとしています。健康影響の危惧を起こすことなく、安全かつ適正に使えるようにするための値です。

そのうえで「関係者がシックハウス対策に取り組むにあたって参考にしていただきたい値」と位置づけています。

つまり、目安として使う値です。超えたら直ちに健康被害が出る、という意味でもありません。

数字を見るときは、何のための値かまで確かめてください。規制値と参考値では、意味がまったく違います。

出典:厚生労働省「室内空気中化学物質の室内濃度指針値及び標準的測定方法について」(令和7年1月17日)

においを感じることと健康影響は別

においがするから体に悪い、とは限りません。厚生労働省の通知には、この点を示す記述があります。

ホルムアルデヒドについて「短期間の暴露でヒトが鼻やのどに刺激を感じる最低の濃度は0.1mg/m3である」とあります。

そのすぐあとに「ただし、さらに低い濃度でホルムアルデヒドの臭気を感じる人達もいる」と続きます。

つまり、においを感じ取る濃度は、刺激を感じる濃度より低いことがあるという構造です。少なくとも、においの有無だけで健康影響は判定できません。

いっぽうで、不快であることは事実です。頭痛や気分の悪さを感じる人もいます。

体調の変化があれば無理をせず、医療機関に相談してください

出典:厚生労働省「室内空気中化学物質の室内濃度指針値及び標準的測定方法について」(平成12年6月30日 生衛発第1093号)

F☆☆☆☆は「におい」の等級ではない

F☆☆☆☆は、ホルムアルデヒドの発散量による区分で、シンナー臭の主因である有機溶剤の量とは別の話です。ここは誤解が広がっているところになります。

国土交通省の資料では、建築材料の区分として、F☆☆☆☆が「制限なしに使える」、F☆☆☆が「使用面積が制限される」などと整理されています。基準になっているのはホルムアルデヒドの発散です。

さらに、この制限が適用されるのは居室の内装仕上げです。外壁の外側に塗る塗料は、この内装仕上げの制限の対象ではありません。

同じ資料は「建築基準法さえ守ればシックハウス対策は十分、というわけではありません」とし、トルエンやキシレンなど他の化学物質にも目を向けるよう促しています。

「F☆☆☆☆だからにおわない」という説明を受けたら、それはホルムアルデヒドの話ですよねと確かめてみてください。

誤解を責める必要はありません。等級の意味を共有できれば、話は「では溶剤はどうしますか」という実際の相談に進みます。

出典:国土交通省「シックハウス対策」

法令はどこまで関わるか

関係しそうな法律は2つありますが、いずれも通常の戸建て塗装を想定した規制ではありません。

まず大気汚染防止法です。VOCの排出施設として定められている塗装施設は「吹付塗装を行うものに限る」とされ、規模の要件が付いています。

要件は排風機の排風能力が1時間当たり10万立方メートル以上のものです。

工場の大型設備を想定した数字で、住宅の塗り替えはこの規模に当たりません。

もうひとつが悪臭防止法です。環境省の説明では「規制地域内の工場・事業場の事業活動に伴って発生する悪臭」を対象としています。

どちらも産業の施設・事業場を想定した仕組みで、住宅の塗装工事を名指しした規定は見つかりませんでした。自治体の条例や、民事上の責任は別に考える必要があります。

ただし「規制がない=何をしてもよい」ではありません。近隣との関係は、法令とは別の次元で続きます。

出典:e-Gov法令検索「大気汚染防止法施行令」別表第一の二環境省「悪臭防止法の概要」

規制がないから配慮が要る

法令の網にかからないということは、配慮が当事者の裁量に委ねられているということです。守るべき数値がないぶん、伝え方が結果を分けます。

総務省の公害等調整委員会がまとめた令和6年度の調査では、公害苦情の受付件数は66,931件でした。

このうち悪臭の苦情は9,156件で、工事・建設作業によるものは238件でした。

件数としては多くありませんが、起こるときは起こるという規模です。事前のひと声で防げるものも含まれていると考えられます。

苦情になってからでは、工程を止めるかどうかの判断を迫られます。着工前に伝えておくほうが、双方にとって楽になります。

出典:総務省 公害等調整委員会「令和6年度公害苦情調査」

室内でできること

窓を開けて換気する室内

室内の対処は換気が基本です。厚生労働省の手引きは、室内の化学物質濃度が発生量と換気量の比で決まると説明しています。

原文では「換気を十分に行い、空気の入れ替わりが十分確保されれば、基本的に外気と大差ない状態になるはずである」とされています。

  • 換気の時間帯を工程に合わせる。塗っている最中と直後は、においが入りやすい
  • 養生で窓が塞がれる期間を確認する。開けられない日があるなら、その前後で調整する
  • 給気口の位置を確かめる。塗装面の近くにあるなら、運転の扱いを業者に相談する
  • においの強い日は、外出の予定を先に入れておく

塗装前の高圧洗浄でも窓は開けられません。工程ごとの制約は高圧洗浄の記事もあわせて確かめてください。

活性炭や消臭剤、扇風機をすすめる説明もあります。ただし外壁塗装のにおいに対する効果を示した公的資料は、確認できませんでした。

手引きの考え方に沿えば、基本は空気の入れ替えです。発生量に対して換気量を増やすという軸で考えてください。

出典:厚生労働省「室内空気中化学物質についての相談マニュアル作成の手引き」

ベークアウトは慎重に

室温を上げて放散を促す方法は、無条件には勧められません。厚生労働省の手引き自体が、留保を付けています。

「一定時間室内温度を高め、揮発性の有機化合物の放散を促進させ、それらを換気により除去することをベークアウトと呼んでいる」としたうえで、こう続きます。

加熱しすぎると建築物にダメージを与える可能性もあるといわれ、検討課題として残されている面は多い」。

そもそも外壁塗装のにおいは、発生源が屋外にあります。室内建材向けの手法をそのまま当てはめる場面ではありません。

室内でできるのは、入ってくる量を減らすことと、入った分を外に出すことです。温度を上げるより、換気の時間帯を工夫するほうが現実的になります。

出典:厚生労働省「室内空気中化学物質についての相談マニュアル作成の手引き」

工事のあとに残るにおい

工事が終わった住宅の外壁とベランダ

塗り終えたあとも、しばらくにおいが残ることがあります。塗膜が完全に硬化するまで、揮発は続くためです。

手がかりになるのは、風の通り方です。建物と隣家の間が狭い面や、風下側のベランダは、においが抜けにくくなります。

洗濯物を外に出すタイミングは、この点を見て決めてください。触ってみて指に付かなくても、においが残っていることはあります。

気になる場合は、業者に「もう触っても大丈夫ですか」と聞いてください。乾燥と硬化は別で、触れる状態と、においが収まる状態も別です。

近隣への伝え方

近隣にあいさつをする場面

近隣対応は、着工前のあいさつで大半が決まります。においが出る日を工程表で伝えておくと、相手も予定を立てられます。

伝える内容は3つで足ります。工事の期間、においが強い日、そして連絡先です。

洗濯物を干す日をずらしたい家庭もあります。

範囲は、両隣と向かい、裏の家が基本になります。風下にあたる家があれば、そこも含めてください。

集合住宅が近い場合や、通学路に面している場合も、声をかけておくと安心です。においは風向きで届く範囲が変わります。

伝えるのは工事の前です。始まってからでは、相手はすでに我慢を始めています。

あいさつの進め方は工事の流れと近隣配慮にまとめています。

小さな子ども・妊娠中の方・ペットがいる場合

不安があるなら、においの強い日に外出する計画を先に立てるのが現実的です。工程表が出た時点で予定を組めます。

この記事では「安全です」とも「危険です」とも書きません。個別の建物と体調によって条件が違うためです。

判断の材料として使えるのは、厚生労働省の指針値と、換気で濃度が下がるという考え方です。

妊娠中の方や持病のある方は、事前にかかりつけ医に相談しておくと安心できます。体調の変化があれば、無理をせず医療機関に相談してください

ペットについても同じ考え方です。

においの強い日は、部屋を移すことも検討してください。判断に迷うときは、かかりつけの獣医師に事前に相談しておくと安心です。

業者に確認したい4点

契約前か着工前に、次の4点を確かめておくと段取りが立ちます。

  • 使う塗料は水性か溶剤形か(見積書の製品名で確認できます)
  • においが強い工程はいつか(工程表で日付を押さえる)
  • 養生で窓を開けられない期間はいつか
  • 近隣へのあいさつの範囲と、業者が回るか自分で回るか

いずれも答えられて当たり前の内容です。見積書の読み方は見積書の読み方と相見積もりを参考にしてください。

水性を希望するなら、契約前に伝えてください。施工時期によっては使えないと説明されることがあり、その場合は時期の調整も選択肢になります。

工事中に不調を感じたら

頭痛や吐き気などの体調変化があれば、我慢せず現場の責任者に伝えてください。工程を組み替えられる場合があります(症状が続くときは医療機関へ)。

よくある質問

検索で多い疑問を取り上げます。根拠は本文の該当セクションで扱っています。

においはいつまで続きますか?

塗る工程と乾燥の条件によります。「約3日間」という数字をよく見かけますが、公的な裏づけは確認できませんでした。

工程表で塗装の日を確かめるのが確実です。

工事中に洗濯物を外に干せますか?

養生をしている期間や塗っている最中は避けたほうが無難です。業者に「外に干せない日はいつですか」と聞いて、先に把握しておいてください。

エアコンは使えますか?

室外機や配管を養生する期間は使えないことがあります。工事前に確認しておくと、夏や冬の計画が立てやすくなります。

換気の設定も見直してください。外気を取り込む位置が塗装面の近くなら、時間帯をずらす判断もありえます。

ペットや観葉植物への影響はありますか?

個別の判断はできません。気になる場合は、においの強い日に部屋を移すか、預けることを検討してください。

様子に変化があれば獣医師に相談を。植物は、飛散防止の養生の状況とあわせて業者に相談してください。

雨が降るとにおいは消えますか?

洗い流されるというより、乾きが遅れて揮発の期間が延びることがあります。そもそも雨の日は塗装をしません。

においは近所まで届きますか?

風向きによっては届きます。総務省の統計では、悪臭の苦情9,156件のうち工事・建設作業によるものは238件で、多くはありません。

着工前のあいさつで、においが強い日を伝えておいてください。

水性塗料ならにおいはしませんか?

まったくの無臭ではありませんが、溶剤形に比べれば臭気は少なくなります。ただし北海道では、5℃以下になると水性が使えません。

水性と溶剤形の中間にあたる弱溶剤という区分もあります。製品名をもとに、仕様書か業者で確かめてください。

雨や気温はにおいに影響するか

雨は、においを消すというより乾きを遅らせて揮発の期間を延ばすほうに働きえます。「雨が降ると消える」という説明を見かけますが、そう単純ではありません。

そもそも降雨のおそれがある日は、原則として塗装を行わないとされています。塗った直後の雨は仕上がりの不良につながるためです。

気温も影響します。一般に、暖かいほど溶剤は早く揮発するとされていて、においの出方と収まり方が変わります。

北海道の春や秋は気温が低く、においが弱いかわりに長引くことがあります。強さと期間は、必ずしも同じ方向に動きません

まとめ

においの主因は、塗料を薄める有機溶剤です。健康影響には厚生労働省の室内濃度指針値という物差しがあり、指針値は規制値ではなく参考値と位置づけられています。

「F☆☆☆☆だから安心」はホルムアルデヒドの話で、シンナー臭とは別。数字と等級は、何のためのものかまで確かめてください

北海道では、においの少ない水性を選べない時期があります。時期の選択とセットで考えるのが現実的です。

できることは決まっています。工程表でにおいの強い日を押さえ、その日の過ごし方を決め、近隣に伝えておく。

この3つが、不安と行き違いの軽減につながります

記事の内容に誤りの指摘や、専門家としての監修のご相談があれば、お問い合わせからお知らせください。

本記事は公的資料とメーカーの公開情報の整理であり、個別の健康影響についての判断や医学的助言ではありません。掲載した数値は各出典の時点のものです。体調に不安がある場合は医療機関に、ペットについては獣医師にご相談ください。

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