外壁塗装の工事の流れと工期は?北海道の段取りと近隣への配慮

塗装の時期

最終更新:2026年9月6日公開:2026年8月4日編集方針と検証の手順

契約は済んだけれど、当日から何がどう進むのかが分からない。何日で終わるのか、そのあいだ家で普通に暮らせるのか、近所にはいつ挨拶すればいいのか。

工事の流れを説明した記事は多くありますが、「なぜその順番なのか」と「なぜ止まるのか」まで書いてあるものは多くありません。順番の理由が分かっていれば、予定どおりに進まないときも慌てずに済みます。

この記事では、国が定めている工事の仕様書と、業界団体の資料、それに足場の安全に関する法令をもとに、着工から引き渡しまでに何が起きるのかを整理します。北海道で工事する場合に効いてくる条件も合わせて示します。

いつ工事をするかという時期の選び方は北海道で外壁塗装ができる時期で扱っています。この記事は「始まってから」の話です。

なお、この記事は工事を請け負う立場で書いたものではありません。日数はすべて目安であり、実際の工程は建物と天候によります。

  1. 結論:工期を決めているのは「乾かす時間」
    1. この記事で扱わないこと
  2. 契約から着工までにやること
    1. 近隣へのあいさつは業者だけに任せない
    2. 着工前に片づけておくもの
    3. 資材置き場と駐車
  3. 工事の流れ
    1. 洗浄のあとに待つ理由
    2. 下地の補修が工期を動かす
    3. 塗りは3回が基本
    4. 養生でよくある行き違い
  4. 日数の目安
  5. なぜ工事が止まるのか
    1. 気温
    2. 湿度と雨
    3. 強風
  6. 足場は悪天候のあとに点検される
  7. 音とにおいはどこまで我慢するものか
    1. 法令の規制対象にはならないことが多い
    2. 実際に効くのは事前の共有
  8. 住んだまま工事するときの暮らし
    1. 防犯にも注意する
  9. 工程写真は何を撮ってもらうか
    1. 写真の受け取り方
  10. 途中で追加工事を提案されたら
  11. 季節によって進み方が変わる
  12. 立ち会いと確認のタイミング
  13. 引き渡しで受け取るもの
  14. 工事のあと、いつ何を確認するか
    1. 不具合を伝えるときのコツ
  15. よくある質問
    1. 雨で延びた分、追加費用はかかりますか
    2. 留守にしていても大丈夫ですか
    3. 工事中に外出や旅行はできますか
    4. 「今日は作業できません」と言われる日が多くて不安です
    5. 洗濯物はいつから外に干せますか
    6. 塗料のにおいはどのくらい続きますか
    7. 近所から苦情が来たらどうすればいいですか
    8. 足場に子どもが登らないか心配です
    9. 途中で色を変えられますか
    10. 工事が終わったあと、すぐ確認すべきことはありますか
    11. 工事中、家の中に人が入ることはありますか
    12. 職人さんへのお茶出しは必要ですか
    13. 工期が当初の説明より大幅に延びています
    14. 足場を組んだ日から、雨戸やシャッターが動かなくなりました
  16. まとめ

結論:工期を決めているのは「乾かす時間」

先に要点を示します。外壁塗装の工期は、職人が動いている時間の合計ではありません。

  • 塗料は塗った後に乾かす時間が必要で、その間は次の工程に進めません
  • 洗った後も下地が乾くまで塗れません
  • 気温が下がると施工そのものができなくなります
  • 雨が降れば止まります。降った日だけでなく、翌日も乾燥待ちになることがあります

つまり、実働の日数より、待つ日数のほうが工期を左右します。「10日で終わります」という説明は、天候が読みどおりだった場合の話です。

この記事で扱わないこと

契約から着工までにやること

外壁ぎわを片づけた住宅の庭

着工前の準備で、当日以降の進み方が変わります。

  1. 日程の確認 … 着工日、想定日数、雨天時の考え方
  2. 色の決定 … 発注に時間がかかるため、着工の数週間前までに決めます
  3. 近隣へのあいさつ … 誰がいつ回るのかを決めます
  4. 駐車場所と資材置き場 … 自宅の敷地で足りるかを確認します
  5. 片づけ … 壁ぎわの植木鉢、自転車、物置の中身
  6. エアコンの室外機・給湯器 … 位置と、使えなくなる時間帯の確認

近隣へのあいさつは業者だけに任せない

多くの会社が着工前にあいさつに回ります。それとは別に、両隣と向かい、裏の家には施主からも一声かけておくほうが、後の話が円滑になります。

伝える内容は多くありません。

  • いつからいつまで、おおよその期間
  • 足場を組む日と、ばらす日はとくに音が出ること
  • 洗浄の日は水が飛ぶ可能性があること
  • 連絡先(業者と、施主の両方)

とくに洗浄と足場の日を先に伝えておくと、洗濯物や車の移動を判断してもらえます。

着工前に片づけておくもの

足場は建物の外周をぐるりと囲みます。壁から1メートルほどの範囲は、いったん空ける必要があります。当日になって慌てないよう、先に動かしておくものを挙げます。

  • 植木鉢、プランター、ガーデニング用品
  • 自転車、物置の前に置いてあるもの
  • 物干し台、屋外の椅子やテーブル
  • 雪囲いの部材、タイヤなどの保管物
  • エアコンの室外機まわりの荷物

動かせない植栽や庭石は、養生してもらう範囲を先に相談してください。足場の脚を置く位置に影響します。

資材置き場と駐車

足場材、塗料、道具を置く場所が要ります。敷地に余裕がない場合、近くの月極駐車場を借りる、路上に停める許可を取るといった段取りが必要になります。

これは費用や日程に影響するので、契約前に確認しておいてください。着工の直前に判明すると、日程が動きます。

工事の流れ

外壁の高圧洗浄

一般的な進み方を示します。会社によって呼び方や区切りは変わりますが、順番の考え方は共通しています。

着工から引き渡しまでの順番
着工から引き渡しまでの順番
工程 内容 目安
1. 足場・シート 足場を組み、飛散防止のシートを張る 1日
2. 洗浄 汚れ、藻、はがれかけた塗膜を落とす 1日
3. 乾燥 下地が乾くのを待つ 1〜2日
4. 下地の補修 ひび、欠け、目地の処理 1〜3日
5. 養生 窓、床、植栽を覆う 1日
6. 下塗り 下地と仕上げをつなぐ 1日
7. 中塗り・上塗り 色をつけ、膜の厚みを確保する 2〜4日
8. 付帯部 とい、破風、軒天、水切りなど 1〜2日
9. 点検・手直し 施主と一緒に確認する 1日
10. 足場解体・清掃 ばらして片づける 1日

洗浄のあとに待つ理由

洗ってすぐ塗ると、下地に残った水が塗膜の下に閉じ込められます。後になってふくれやはがれの原因になります。

だから洗った翌日にいきなり塗り始める工程は、条件を確認したほうがよいものです。「明日から塗ります」と言われたら、下地が乾いているかどうかをどう判断しているのかを聞いてみてください。

下地の補修が工期を動かす

足場を組んで近くで見て、はじめて分かることがあります。思っていたよりひび割れが多い、目地の傷みが進んでいる、下地が浮いている。この段階で工程が延びるのは、むしろ正常な反応です。

問題になるのは、追加費用の話が事後になることです。契約時に「下地の状態によって追加が出る場合、どう決めるのか」を確認しておくと、後で揉めません。

塗りは3回が基本

下塗り、中塗り、上塗りの3回が基本です。下塗りは下地と仕上げをつなぐ役目で、色は仕上げと違うことが多くなります。

回数を確認する方法として、各工程の写真を撮ってもらうのが確実です。塗り終わってしまうと、外から見て回数は判別できません。

養生でよくある行き違い

養生は、塗らない部分を覆う作業です。窓、玄関、床、給湯器、車、植栽が対象になります。ここで行き違いが起きやすいのは、「どこを、いつまで覆うのか」が共有されていないときです。

先に決めておくと安心なものを挙げます。

  • 毎日開け閉めしたい窓 … 1か所だけ開けられるようにしてもらう
  • 給湯器と換気口 … ふさぐと使えなくなるものがあります
  • 玄関まわり … 出入りのたびにめくる形にするか
  • 庭木・家庭菜園 … 覆う期間が長いと傷むことがあります
  • 屋外の水道 … 使えなくなる期間の確認

とくに給湯器と換気口は安全に関わります。作業のあいだだけふさぐのか、期間中ずっとなのかを確認してください。

日数の目安

メッシュシートで覆われた住宅

一般的な戸建てで、天候が安定していた場合の目安です。

工事の範囲別 実働日数の目安
工事の範囲別 実働日数の目安
工事の範囲 実働の目安 余裕を見た日程
外壁のみ 8〜12日 2週間から3週間
外壁+屋根 12〜16日 3週間から4週間
外壁+屋根+付帯部の交換 15日以上 1か月前後

実働と日程を分けて考えてください。雨、気温、乾燥待ちで数日は動きます。カレンダー上の期間は、実働の1.5倍から2倍を見ておくと予定が立てやすくなります。

なぜ工事が止まるのか

雨の日の工事現場

止まる理由は主に3つです。

気温

国土交通省の公共建築工事標準仕様書は、塗装工事について気温5℃以下の場合は施工を中止するという趣旨の条件を定めています。これは公共建築物を対象とした仕様書で、戸建住宅にそのまま適用されるものではありませんが、材料が求める条件は変わりません。

日本窯業外装材協会の資料も、サイディングの塗り替えについて外気温5℃以下では施工しない、晴天時に行うという条件を示しています。

北海道で効いてくる条件

国の研究機関の資料によれば、冬期には夜間放射によって外壁面の表面温度は外気温より2〜3℃低くなるとされています。予報の気温が5℃を上回っていても、朝方や日陰の面では条件を満たさないことがあります。「今日は塗れません」と言われる日が出るのは、この差によるものです。

湿度と雨

雨の日は塗れません。それだけでなく、降ったあとも下地が乾くまで待ちます。朝は晴れていても午後から崩れる予報であれば、その日は塗らない判断になることがあります。

塗った直後に降られると、塗膜の表面が荒れたり、色むらが出たりします。塗らない判断は、手を抜いているのではなく品質を守る側の判断です。

強風

風が強い日は、塗料が飛びます。近隣の車や洗濯物に付くと大きな問題になるため、吹き付けの作業は中止されます。足場のシートが風を受けるため、安全面でも作業を止めます。

出典:国土交通省「公共建築工事標準仕様書(建築工事編)令和7年版」日本窯業外装材協会「サイディングの維持管理はどうするの お施主様へ」国土交通省国土技術政策総合研究所「木造住宅の劣化対策ガイドライン」第3編第Ⅳ章

足場は悪天候のあとに点検される

足場を点検する作業員

工事が数週間続くあいだ、天気は変わります。足場については点検が法令で決められています。

北海道労働局の資料は、労働安全衛生法第20条および労働安全衛生規則第567条にもとづき、強風、大雨、大雪等の悪天候もしくは中震以上の地震、または足場の組立て・一部解体・変更の後に足場での作業を行うときは、作業を開始する前に点検を行い、異常を認めたときは直ちに補修しなければならないと説明しています。

「悪天候」の基準(解釈例規)

昭和34年2月18日 基発第101号により、次の数値が示されています。強風=10分間の平均風速10m/s以上/大雨=一回の降雨量50mm以上/大雪=一回の降雪量25cm以上/中震=震度4以上。点検の結果は記録し、工事終了まで保管することとされています(同条第3項)。

点検項目は9つあり、床材の損傷や取付けの状態、建地・布・腕木などの緊結部のゆるみ、手すりや中さんの脱落の有無、脚部の沈下や滑動の状態などが含まれます。

住まい手の側で覚えておきたいのは、大雪や強風のあとに作業がすぐ再開しないことがあるのは、この点検が入るためだということです。北海道労働局の資料も「北海道はこれから台風に引き続き、大雪の時期を迎えます」と呼びかけています。

出典:北海道労働局「強風・大雨・大雪・地震等の際の足場の点検について」

音とにおいはどこまで我慢するものか

近隣トラブルの多くは、音とにおいと、水や塗料の飛散から起きます。

法令の規制対象にはならないことが多い

騒音規制法には「特定建設作業」という枠があり、著しい騒音を出す作業が指定されています。指定されているのはくい打機、びょう打機、さく岩機、一定以上の空気圧縮機、コンクリートプラント等、バックホウ、トラクターショベル、ブルドーザーを使う作業です。

空気圧縮機については「電動機以外の原動機を用いるものであって、その原動機の定格出力が15kW以上のもの」という条件が付いています。住宅の塗装で使う機械は、通常この規模には当たりません。

つまり外壁塗装の高圧洗浄や吹き付けは、多くの場合、騒音規制法の規制対象にはなりません。届出も、敷地境界での85デシベルという基準もかかりません。

ただし、これは「うるさくない」という意味ではありません。騒音規制法にもとづく届出や85デシベルの基準が通常はかからない、というだけです。自治体が条例で規制や指導を行っている場合があるので、気になる場合は市町村の窓口に確認してください。そのうえで、実際に近隣との関係を左右するのは段取りと説明になります。

実際に効くのは事前の共有

音が出る日をあらかじめ伝えておくのが、いちばん効きます。

場面 起きること 先に伝えること
足場の組立て・解体 金属音が続く その日の午前・午後どちらか
高圧洗浄 連続した機械音、水しぶき 洗濯物と車の移動
下地の補修 電動工具の断続音 数日続く可能性
吹き付け においと飛散 窓を閉める時間帯

近隣への配慮として、作業の開始時刻と終了時刻を決めておくことも有効です。朝8時前に音を出さない、夕方6時で切り上げる、といった取り決めです。

出典:環境省「騒音規制法パンフレット 住みよい音環境を目指して」

住んだまま工事するときの暮らし

養生された住宅の窓

ほとんどの場合、住みながら工事します。実際に不便になるところを挙げます。

  • 窓が開けられない … 養生している期間は開閉できません
  • 洗濯物を外に干せない … 足場の期間はほぼ全日程
  • エアコンが使えない時間がある … 室外機を養生する日
  • 玄関の出入りに気を使う … 足場の下をくぐります
  • 車の出し入れ … 位置によっては移動が必要です
  • ペットが落ち着かない … 音と人の出入りに反応します

いちばん影響が大きいのは窓と洗濯物です。北海道の場合、工事の適期は夏と重なるため、窓を開けられないことが実際にこたえます。養生を開けてもらえる時間帯があるかを聞いておくと過ごしやすくなります。

防犯にも注意する

足場が架かっていると2階に上がりやすくなります。2階の窓も施錠する、シートの中に足場が隠れる期間は特に気をつけるといった配慮が要ります。夜間や休工日も足場は残ります。

工程写真は何を撮ってもらうか

外壁の下塗り作業

「写真を撮ってください」とだけ頼むと、完成した見た目の写真ばかりが並ぶことがあります。後で役に立つのは、塗ってしまうと見えなくなる部分の写真です。

頼んでおきたいものを挙げます。

  1. 洗浄の前と後 … どれだけ汚れが落ちたかが分かります
  2. 下地の補修前と補修後 … ひび、欠け、目地をどう処理したか
  3. 下塗りの状態 … 仕上げと色が違うので、塗ったことが確認できます
  4. 中塗りの状態 … 上塗りと同色だと見分けがつかないため、この段階の記録が要ります
  5. 普段見えない場所 … 屋根、といの中、軒の裏、2階の窓まわり
  6. 足場を外す前の全景 … 各面を1枚ずつ

とくに4番目が抜けやすいところです。中塗りと上塗りは同じ色を使うことが多く、完成後に回数を確認する手段がありません。工程の途中で記録が残っていないと、後から確かめようがなくなります。

写真の受け取り方

紙に印刷した報告書でも、データでもかまいません。ただし撮影日が分かる形で受け取ってください。次の塗り替えのときに、前回どこをどう直したかを追える材料になります。

受け取った写真は、見積書や契約書と一緒に保管してください。数年後、部分的な補修を頼むときに役立ちます。

途中で追加工事を提案されたら

足場を組んで近くで見た結果、契約時には分からなかった傷みが出てくることがあります。これ自体は珍しいことではありません。ただし、その場で判断を迫られると困ります。

妥当な提案かどうかは、次の点で見分けられます。

確認したいこと 妥当な説明の例
なぜ契約時に分からなかったか 地上からは見えない位置だった
今やらないとどうなるか この面から水が入り続ける
写真はあるか 該当箇所の写真を示せる
金額の根拠 数量と単価が示される
今回やらない選択はあるか 次回に回す場合の影響を説明できる

いちばん大事なのは「今回やらない選択はあるか」です。本当に必要な工事であれば、やらなかった場合に何が起きるかを説明できます。逆に、それが説明できない提案は急ぐ必要がないものかもしれません。

金額が大きい場合は、いったん持ち帰って考えたいと伝えてかまいません。足場が架かっているあいだであれば、数日の猶予で工程が破綻することはまずありません。

季節によって進み方が変わる

どの時期に着工するかで、工事中の過ごし方が変わります。時期そのものの選び方は別の記事に譲り、ここでは着工後の違いだけ挙げます。

時期 進み方 暮らしへの影響
春(雪解け後〜初夏) 朝の気温で待つ日がある 窓を閉めても苦にならない
乾きが早く進みやすい 窓が開けられないのがつらい
日が短く、作業時間が縮む 気温低下で中断が増える

北海道では秋に着工すると、終わらないまま条件を満たせなくなる可能性があります。工程が押した場合にどうするのか、契約前に確認しておいてください。翌年に持ち越すのか、足場を残すのか、いったん解体するのかで負担が変わります。

立ち会いと確認のタイミング

すべての工程に立ち会う必要はありません。要所だけ押さえれば足ります。

  1. 着工前 … 気になっている箇所を一緒に見て共有する
  2. 下地の補修が終わったとき … 何をどう直したかを写真で確認する
  3. 色を塗り始める前 … 実際に塗った色を小さい範囲で見せてもらう
  4. 足場を外す前 … 一緒に確認して、手直しがあれば足場のあるうちに

とくに3番目と4番目は外せません。色は見本帳と実物で印象が変わりますし、足場をばらしてからの手直しは費用も手間も増えます。

引き渡しで受け取るもの

塗り替えが終わった住宅

工事が終わったら、記録を残してもらいます。

受け取るもの 後で役に立つ場面
工程ごとの写真 次の工事のときの判断材料
使った材料の名称・数量 同じ材料で補修したいとき
色の記録(色番号) 部分的に塗り直すとき
保証の内容と期間 不具合が出たとき
下地の補修箇所の記録 同じ場所が再発したとき

色番号は必ず控えておいてください。数年後に付帯部だけ塗り直したいとき、記録がないと色を合わせるのに苦労します。

保証については、内容と期間だけでなく「何が対象外か」も確認してください。多くの場合、天災による損傷や、下地側の問題は対象から外れます。

工事のあと、いつ何を確認するか

引き渡しで終わりではありません。不具合が出るとしたら、条件が変わったときです。北海道の場合、区切りは3つあります。

タイミング 見るところ あったら連絡
最初のまとまった雨のあと といの流れ、窓まわり、室内のしみ 水の伝い方が前と変わっていないか
最初の冬が明けたあと 塗膜のふくれ、目地、雪が当たった面 局所的な変化がないか
1年後 全体の色、付帯部、といの固定 保証の範囲内かどうかを含めて相談

とくに最初の冬が明けたあとは確認しておいてください。凍結と融解を一度通した後の状態が、その工事の実力に近い姿です。詳しい見方は外壁の劣化サインと点検の目安にまとめています。

不具合を伝えるときのコツ

「なんとなくおかしい」では話が進みません。次の3つをそろえて連絡すると、対応が早くなります。

  1. どこか … 方角と高さ(東面の1階、窓の右下など)
  2. いつからか … 気づいた時期と、その前後の天気
  3. 写真 … 全体が分かる1枚と、近くで撮った1枚

引き渡しのときに受け取った工程写真があれば、同じ場所の施工中の写真と見比べられます。原因の切り分けが早くなります。

よくある質問

雨で延びた分、追加費用はかかりますか

通常はかかりません。天候による中断は見込まれているのが普通です。ただし、施主の都合で工事を中断した場合や、足場を長期間そのままにする場合は別の扱いになることがあります。契約書の記載を確認してください。

留守にしていても大丈夫ですか

作業自体は進みます。ただし下地の補修が終わった時点と、足場を外す前は立ち会うほうが確実です。難しければ、その都度写真を送ってもらう形にしてください。

工事中に外出や旅行はできますか

できます。事前に伝えておき、緊急の連絡先を共有しておいてください。下地の状態によって判断が必要になる場面が出ることがあります。

「今日は作業できません」と言われる日が多くて不安です

気温、湿度、風で条件を満たさない日はあります。塗れない日に無理に塗るほうが問題です。ただし理由の説明がないまま日が空くのは別の話なので、その日の判断理由を聞いてください。

洗濯物はいつから外に干せますか

足場と養生を外してからです。実質的には工事の全期間、外干しは難しいと考えてください。工事の日程を決めるときに、この期間も込みで考えておくと計画しやすくなります。

塗料のにおいはどのくらい続きますか

材料と天候によります。塗った日から数日が目安で、風が通れば早く抜けます。においに敏感な家族がいる場合は、契約前に相談しておくと材料の選び方に反映できることがあります。

近所から苦情が来たらどうすればいいですか

まず業者に伝えてください。飛散や汚れであれば、業者が直接対応するのが筋です。音や時間帯の話であれば、作業時間の調整で解決できることがあります。施主が一人で抱えないでください。

足場に子どもが登らないか心配です

足場は工事関係者のための設備で、居住者や家族が上がる場所ではありません。登れないよう昇降部分を塞いでもらえるかを確認してください。多くの会社が対応しています。

途中で色を変えられますか

塗り始める前であれば変えられる場合があります。ただし塗料を発注したあとは費用が発生することがあります。迷っている場合は、契約後すぐに相談してください。

工事が終わったあと、すぐ確認すべきことはありますか

足場を外した状態で、地上から全体を見て、色むらや塗り残しがないかを確認してください。とい、水切り、換気フードの周辺は見落とされやすい部分です。気になる箇所は早めに伝えてください。

工事中、家の中に人が入ることはありますか

基本的にはありません。外まわりの工事なので、室内に入る必要が生じるのは、雨漏りの調査など特別な場合に限られます。トイレや電源、水道の使用について頼まれることはあるので、着工前にどこまで許容するかを決めておくと双方が動きやすくなります。

職人さんへのお茶出しは必要ですか

必要ありません。会社として休憩や飲み物を用意しているのが普通です。気を使って毎日続けると、かえって双方の負担になります。気になる場合は、着工日と最終日だけにとどめる程度で十分です。

工期が当初の説明より大幅に延びています

天候による中断であれば、その旨の説明があるはずです。説明がないまま日が空く場合は、残りの工程と見込みの完了日を文書で出してもらってください。足場が長く架かること自体が防犯上の負担になるため、遠慮する必要はありません。

足場を組んだ日から、雨戸やシャッターが動かなくなりました

養生や足場の部材が干渉していることがあります。その場で伝えれば調整できることがほとんどです。無理に動かすと部材を傷めるので、自分で外そうとしないでください。

まとめ

外壁塗装の工期を決めているのは、作業の量ではなく乾かす時間と、施工できる条件がそろう日数です。実働の1.5倍から2倍の期間を見ておくと、予定が崩れません。

止まる理由は主に気温・雨・風の3つです。気温5℃以下では施工しないという条件が国の仕様書にも業界団体の資料にも示されており、北海道では壁面の表面温度が外気温より2〜3℃低くなることも重なります。「今日は塗れません」と言われる日が出るのは、この条件によるものです。

足場については、強風(平均風速10m/s以上)、大雨(50mm以上)、大雪(25cm以上)、震度4以上の地震のあとは、作業前に点検することが法令で決められています。大雪のあとに再開が遅れるのは、この点検が入るためです。

音については、外壁塗装は騒音規制法の特定建設作業には通常当たりません。法令が守ってくれない分、事前の共有で対応するしかない領域です。足場を組む日と洗浄の日だけでも先に伝えておくと、近隣の受け止め方が変わります。

最後に、足場を外す前に一緒に確認することと、色番号と工程写真を受け取ること。この2つだけは忘れないでください。どちらも、後になってから取り返せません。

引き渡し後の保証と点検の進め方は外壁塗装の保証は何を守るのかにまとめています。

工程ごとの中身は、高圧洗浄は何をしているのか足場代の中身で個別に扱っています。

工事中に事故が起きたときの責任の所在は、工事中の事故と近隣への損害にまとめています。

工事中のにおいの正体と対処は外壁塗装のにおいにまとめています。

ドローンを使った点検の法令と限界は外壁のドローン点検にまとめています。

掲載している日数は目安であり、保証するものではありません。公共工事の仕様書は公共建築物を対象としたもので、戸建住宅にそのまま適用されるものではありません。騒音規制法の指定地域・規制基準は市町村により異なり、条例による規制が別に設けられている場合があります。実際の工程・工期は、現地を確認した施工業者の判断によります。

タイトルとURLをコピーしました