最終更新:2026年9月12日公開:2026年8月25日編集方針と検証の手順
軒樋が垂れ下がっている。雨のたびに、同じ場所だけ滝のように水が落ちる。
北海道でこれが起きるとき、原因は落ち葉や強い風だけではありません。屋根から滑り落ちる雪と、樋の中に残る氷が、金具や継ぎ目に力をかけ続けた結果であることがよくあります。
急ぐかどうかの目安は先に書きます。外壁を伝っている、基礎際に水がたまる、室内に影響が出ている。このどれかなら待てません。ここでは、壊れる・詰まるところから、直す・替える・今は待つの判断、誰に頼むかまでを順に整理します。塗装の話は付帯部の塗装、屋根に上がる作業は屋根の雪処理で扱っています。
当サイトは公的資料をもとに記事を書くだけで、工事も見積もりも請け負っていません。金額表は載せません。費用が何で決まるか、見積書のどこを見るかに絞ります。
雨樋の修理は「壊れた場所」で直し方が変わる

雨樋の直し方は、壊れた場所が5つのどれかでほぼ決まります。継ぎ手のすき間、金具の外れ、全体の外れは地上からでも見分けがつき、このうち前の2つは部分的な補修で戻せることが多い壊れ方です。

残る2つ、傾斜の狂いと割れは、近くで見ないと判断できません。取り違えたまま部品だけ替えると、次の冬に同じ場所が壊れます。
自分の家がどれに当てはまるかを決めてから、費用と頼み先を考える。この順番が結局は近道になります。
5つの壊れ方の一覧
- 継ぎ手のすき間:つなぎ目から水が落ちる、筋状の汚れ(地上から分かる)
- 支持金具の外れ・折れ:樋が波打つ、片側だけ下がる(地上から分かる)
- 傾斜の狂い:雨が止んでも水がたまったまま(分かりにくい)
- 割れ・変形:白っぽい部分に線が入る(近くで見ないと不明)
- 全体の外れ:一連(ひとつながりの区間)ごとぶら下がる、落ちている(地上から分かる)
地上から見て分かる3つの症状
外へ出て見るのは、垂れ・外れ・あふれの3つで足ります。樋が波打っていないか。金具が抜けて樋が外れていないか。一か所だけ大量に落ちていないか。
当てはまったら写真を撮っておきます。雪が積もる前の状態が残っていると、業者に見せるとき話が早くなります。
次の行動:地上から写真を1枚撮る。
雨樋の各部の名前と、水が抜けていく順番

屋根に落ちた水は、軒樋(のきどい)→集水器→縦樋(たてどい)の順に地面へ抜けていきます。壊れるのは、水が集まって向きが変わる継ぎ目と、樋の重さを受け止める支持金具に偏ります。

見積書に出てくるのもこの部位名です。「軒どい交換 8m」「集水器 1か所」のように書かれるため、名前と役割を知っておくと、2社の見積書を並べたときに何が違うのかが読めるようになります。
逆に言えば、部位が分からないままだと、金額の差が工事の差なのか、単に見積書の書き方の差なのかを判断できません。まず水の通り道をたどるところから始めます。
部位ごとの役割と、出やすい症状
| 部位 | 役割 | 壊れたときに出る症状 |
|---|---|---|
| 軒樋 | 屋根から落ちた水を受ける | 波打つ・雨があふれる・雪で押し下げられる |
| 集水器 | 軒樋の水を縦樋へ落とす | ごみが詰まる・周囲から水があふれる |
| 縦樋 | 水を地面や排水へ運ぶ | 詰まりで水が上がる・凍って割れる |
| 支持金具 | 樋を軒先や外壁に留める | 抜ける・折れる・樋が片下がりになる |
| 継ぎ手 | 樋と樋をつなぐ | すき間から水が落ちる・筋状の汚れ |
次の行動:見積書の部位名と、この表を突き合わせる。
北海道で雨樋が壊れる原因は雪と氷の重み

道内では、落ち葉や強風に加えて、屋根から滑り落ちる雪と、解けきらずに樋に残る氷という力が加わります。この2つは本州向けの解説にほとんど出てこないため、原因の候補から抜け落ちがちです。
同じ「雨樋が壊れた」でも、原因が違えば手当ても変わります。雪で押された樋を元の位置に戻すだけでは、次の冬にまた同じ力がかかるからです。
ここでは3つに分けて整理します。屋根から落ちる雪、樋に残る氷とつらら、そして雪とは関係のない経年の傷みです。
屋根から落ちる雪が軒樋を押し下げる
屋根の雪をどう処理するかは建物ごとの計画の問題だと、北方建築総合研究所ほかの資料は述べています。ただし資料が扱うのは屋根側で、軒樋には触れていません。勾配屋根に積もった雪は、気温が上がると屋根材の上を滑ります。その通り道に軒樋があると、雪の重さと動きがそのまま樋と金具にかかります。
片側だけが下がる、金具の位置で折れるという壊れ方は、この力で起きます。同じ面が毎年壊れるなら、雪の当たり方を先に見てください。落雪そのものの受け止め方は屋根の雪止めで扱っています。
樋に残った氷とつららは、金具に力をかけ続ける
日中に解けた水が夕方に凍る。この繰り返しが続くと、樋の中に氷が居座ります。氷が残ったままの樋は重くなり、支持金具に力がかかり続けます。
軒先に大きなつららができる家では、その重みも同じ場所に集まります。毎年同じ場所にできるなら、その真上の樋か、その先の縦樋を疑ってください。
雪や氷以外の壊れ方もある
年数で樹脂が硬くなる、日射で白っぽくなる、建物の動きで傾斜が狂う、風で継ぎ目が外れる、といった壊れ方もあります。
このうち傾斜の狂いは、雨が止んだあとも水がたまったままというかたちで出ます。冬に凍る水が残るため、寒冷地では見逃したくない症状です。
出典:北方建築総合研究所ほか「戸建て住宅の屋根の雪処理計画」
雨樋の詰まりで現れる症状と、詰まる中身

詰まりの正体は落ち葉だけではありません。屋根材から流れ出る砂粒、コケ、鳥の巣、そして解けきらない氷が混ざり合って水の通り道をふさぎます。
詰まりは最初のうち静かに進みます。水があふれる、音が変わるといった形で表に出たときには、すでに何シーズンか進んでいることがあります。
詰まりの出方は屋根の形でも変わりますが、それは次の章で扱います。軒先に樋がある家と、屋根の中央に樋がある家とでは、水の逃げ場が違うからです。まず地上から拾えるサインを押さえておきます。
詰まりのサインは地上から拾える
- 雨のときに、軒樋の同じ場所からだけ水があふれる
- 縦樋からポコポコ、コポコポという音がする
- 軒樋から草が生えている、土が見える
- 冬に毎年同じ位置につららができる
- 樋の真下の地面だけ、水はねでえぐれている
詰まりが天井の濡れにつながることがある
北方建築総合研究所ほかの資料は、屋根の中央に横樋と縦樋を持つM形屋根について、縦樋にごみが詰まると漏水につながると指摘しています。屋根そのものの仕組みは無落雪屋根の3方式で扱っています。
天井や壁の濡れがすでに出ているなら、詰まりだけが原因とは限りません。雨漏りの可能性もあります。雪解けに天井が濡れるなら、すが漏りのほうが症状として近いはずです。
出典:北方建築総合研究所ほか「戸建て住宅の屋根の雪処理計画」
雪国で軒樋を付けない家があるのはなぜか

北海道には、軒先に樋がない家があります。屋根の形そのものが雪を前提に作られていて、水の出口が別の場所にあるためです。
もうひとつは、付けても持たないという事情です。雪が滑り落ちる屋根の下に軒樋を出しておくと、雪の通り道に部材を置くことになります。
ただし、付けないことで別の問題が出ます。屋根から落ちた水がそのまま同じ場所に当たり続けるためです。この判断は好みではなく、屋根の形と敷地の条件で決まります。
M形屋根は横樋と縦樋が屋根の中央にある
北方建築総合研究所ほかの資料によれば、無落雪屋根で最も普及しているのは屋根の中央部に横樋と縦樋を持つM形屋根です。雪を屋根に載せたまま、解けた水を中央から抜く考え方で、道内では長く使われてきました。
この形では軒先に樋がありません。そのかわり、排水の要は屋根の内側にある縦樋に移ります。屋根そのものの塗装や改修は無落雪屋根の記事で扱っています。
屋根の形は家ごとに違うため、自分の家がどの方式かを先に確かめてください。
付けない家・中央にある家で起きること
勾配屋根で雪を落とす設計の家では、軒樋が雪の通り道に入ります。金具ごと持っていかれることもあり、破損を繰り返す家では、あえて軒樋を外したままにしている場合もあります。
軒樋がなければ、屋根の水はそのまま軒先から落ちます。同じ場所に落ち続けると、外壁の下部が汚れ、基礎まわりの土がえぐれ、はね返った水が壁の足元を濡らします。
隣地との距離が近い家では、水や雪の落ち先が隣の敷地にかかることもあります。中央排水の家では、縦樋が詰まると水の逃げ場がないという別の弱点を抱えます。
出典:北方建築総合研究所ほか「戸建て住宅の屋根の雪処理計画」
5つの壊れ方は、それぞれ直し方が違う

継ぎ手のすき間と金具の外れは部材を限った補修で戻せます。傾斜の狂いと割れは部材の交換、全体の外れは一連での組み直しになります。ここを取り違えると、部材だけ替えて同じ場所がまた壊れます。
同じ壊れ方を毎年繰り返す家では、金具の間隔と雪の当たり方に原因を探すほうが早いはずです。元通りに戻すだけの修理は、原因をそのまま残します。
業者に伝えるときの言葉も具体的になります。「樋が垂れている」より「金具が2か所抜けている」のほうが、電話口でも話が早く進みます。
継ぎ手・集水器まわりのすき間
つなぎ目から水が落ちる症状は、地上からでも気づきやすい壊れ方です。継ぎ手の部材が外れかけているか、シーリング(コーキング)が切れているかを疑います。
注意したいのはすき間にコーキングを足すだけの処置です。動いている部材を接着でつなぐため、冬を越すとまた切れることがあります。打ち替えと増し打ちの違いはコーキングの記事で扱っています。
支持金具が抜ける・折れる
力が集中するのは金具です。抜けた金具を同じ位置に同じ間隔で戻せば、同じ壊れ方を繰り返します。金具の間隔を詰める、位置を変えるといった対処が入っているかどうかを、見積書で確認してください。
傾斜の狂い・割れ・全体の外れ
近くで見ないと決まらない2つに対し、全体の外れは見た目で分かるかわりに、外れた区間ごと組み直すことになります。屋根に上がらずに済ませるなら、地上から撮った写真をそのまま業者に見せるのが早道です。樋の全体が入る1枚と、気になる場所の1枚があれば、たいていは話が進みます。
次の行動:同じ場所が2回以上壊れていないか思い出す。
直さずに置くと、水は同じ場所を伝い続ける
急いだほうがよいのは、外壁を伝っている、基礎際に水がたまる、室内に影響が出ているの3つです。逆に、軒先から地面に落ちるだけなら、次の塗り替えまで待てることもあります。
判断の分かれ目は「水がどこへ行くか」です。壊れた場所そのものより、そこから流れ出た水の行き先を見てください。
壊れた範囲が限られていれば、工事としては小さく収まります。放置が問題になるのは、伝った水が外壁や基礎に残す影響のほうが大きいためです。
水が伝う先で起きること
外壁の同じ面に水が当たり続けると、その部分だけ汚れやコケが出ます。水を吸った状態で凍結と融解を繰り返せば、凍害につながる条件がそろいます。
基礎際では、はね返った水が壁の足元を濡らし、土がえぐれます。守り方は雪から外壁を守る記事にあります。
すぐ手を打つ症状と、待てる症状
待てるのは、落ちる先が地面だけで、建物にも隣地にもかかっていない場合です。上の3つに当てはまるなら、次の工事を待たずに相談するほうが、結果的に安く済むことがあります。
ただし「待てる」は「放っておいてよい」とは違います。壊れた部分は次の雪でさらに動くため、次に見る時期を決めておきます。
冬に入る前に判断したい理由
雪が積もると屋根に近い作業は止まります。秋の終わりの不具合を先送りすると、判断できるのは春以降です。考え方は春まで待つあいだにできることで扱っています。
次の行動:雨の日に1分だけ外へ出て、水の落ち先を見る。
直すか、替えるか、今は待つかの分かれ目
1〜2か所の破損で、ほかの部分に割れや、白っぽくなった部分の線が出ていなければ部分交換で足ります。同じ面で複数箇所が壊れている、または材が硬くなっているなら、一連で交換したほうが手戻りが少なくなります。
そして第3の選択肢が「今は替えない」です。生活に支障がなく、水の落ち先が地面だけなら、外壁や屋根の工事に合わせてまとめる判断もあります。ただしぶら下がって落ちる恐れがある部材は、水の行き先と関係なく待つ対象になりません。
雨樋くらいで業者を呼ぶのは大げさではないか、という迷いは自然なものです。判断の材料は、破損の広がり、水の行き先、次の工事の予定の3つに絞れます。
部分補修で足りるとき、足りないとき
足りるのは、破損が限られていて、周囲の部材がまだしなやかなときです。足りないのは、割れが複数出ている、押すと粉が出る、同じ面で何度も直しているときになります。古い樋では同じ部品が手に入らず、全体の交換になることもあります。
塗装や屋根工事と時期を合わせる
樋の交換で足場が要るなら、外壁塗装と同じ足場を使えば費用の重なりを避けられます。付帯部としての塗装の考え方は付帯部の塗装、足場の中身は足場代の記事にあります。
次の行動:塗り替えの予定があるか家族と確認する。
材質によって寒さでの割れやすさが変わる
寒さで割れやすいかどうかは、塩ビか耐寒仕様か金属かで変わります。住宅用でよく使われる硬質塩化ビニルは、軽くて扱いやすい反面、低温で硬くなり、日射で劣化するとされています。
そこで耐寒仕様や、雪の力を受ける場所に金属(ガルバリウム鋼板など)を使う選択が出てきます。当たる力と予算で決まります。なお硬質塩化ビニル雨どいの寸法や品質には JIS A 5706 という規格があります。
部分交換をするときは、材質より先に確かめることがあります。既存の樋がどのメーカーのどの系列かです。ここがそろわないと、寸法が近くても部材が合いません。
塩ビと耐寒仕様の違い
塩ビの樋は日射と寒暖差で表面から傷みます。年数を目安に一律で替えるより、押して粉が出るか、白っぽくなった部分に線が入っていないかで見るほうが確かです。
硬質塩ビは低温で粘りが落ちるとされ、氷が乗った状態で衝撃が加わると割れにつながることがあります。寒冷地向けに耐寒性を高めた製品もあるため、製品名ではなく仕様の記載で確かめてください。
金属の雨樋の利点と、不利になる点
| 材質 | 特徴 | 寒冷地で見るポイント | 不利になる点 |
|---|---|---|---|
| 硬質塩化ビニル | 軽い・部材が豊富・価格が抑えやすい | 低温で硬くなる。氷の荷重に注意 | 日射と寒暖差で劣化が進みやすい |
| 耐寒仕様の塩ビ | 低温での粘りを高めた製品がある | 仕様の記載を確認する | 一般品より選べる形状が少ない |
| ガルバリウム鋼板など金属 | 変形しにくい・雪の力に強い | 端部やきず、他の金属との接触 | 価格が高め・へこむと戻らない・音が出ることがある |
金属は雪に強い反面、へこむと元に戻りません。切り口やきずから腐食が始まることもあります。
雨樋の修理・交換費用は範囲と足場で変わる

総額を動かすのは、範囲・高さ(足場)・材質の3つです。同じ「雨樋修理」でも、地上から届く一か所の補修と、2階の一連交換では桁が変わります。
ネットで見かける相場に大きな幅があるのは、この振れ幅がひとつの言葉に押し込まれているためです。金額そのものより、何にいくらかかっているかの内訳を見てください。
総額を下げる正当な方法は、直す範囲を必要なところに絞ることと、足場を塗装と共有することの2つです。範囲を広げる提案が入っているときは、その理由を聞いてください。
部分補修・部分交換・一連交換・清掃
部分補修は継ぎ手や金具など部材を限って直す工事、部分交換は樋の一部を入れ替える工事、一連交換は、ひとつながりの区間や面をまとめてやり直す工事です。清掃だけを頼むこともでき、詰まりが原因ならそれで止まることもあります。
足場が要るかどうかで総額が変わる
2階の軒樋など高い場所の作業では足場が要ります。足場は「無料」で成り立つものではなく、金額の大きな部分を占めます。中身の見方は足場代の記事にまとめています。
といの見積書で見る3点
- 数量の単位:軒樋は「m(メートル)」、集水器や金具は「か所」。単位が違うと比較になりません
- 足場:計上されているか、共有できるか。塗装と同時なら重複していないか
- 処分費:外した古い樋の処分がどこに入っているか
見積書全体の読み方は見積書の確認項目で扱っています。
次の行動:同じ条件で2社に見積もりを頼む。
雪や風で壊れたときの火災保険の考え方
風災だけでなく雪災を補償する契約なら、雪で壊れた雨樋が対象になることがあります。ただし対象かどうかを決めるのは保険会社であって、工事業者ではありません。
雨樋がやっかいなのは、雪で押されたのか、年数で傷んだのかを切り分けにくいことです。経年劣化による破損は一般に対象外として扱われるため、同じ「垂れた樋」でも判断が分かれます。
証券の見方、免責金額、請求の手順といった制度の全体像は外壁塗装に火災保険は使えるかにまとめています。ここでは雨樋に絞って3点だけ書きます。
雪災が補償に入っているかを先に見る
確認するのは、風災・雪災・雹災(ひょうさい)が補償に入っているかどうかです。証券が見当たらなければ、契約先の保険会社か代理店に問い合わせれば分かります。
順番は、証券の確認、保険会社への連絡、被害の記録、見積もりの取得です。この順番を業者主導に変えないことが、雨樋のような小さな工事ほど大事になります。
「保険を使えば実質無料」と持ちかける業者への注意
消費者庁は、「火災保険を使って実質的に無料で修理ができる」などとうたい、火災保険金を利用した修理工事契約を締結させる事業者について注意喚起を出しています。
日本損害保険協会も、保険会社や代理店へ連絡する前に、問題のある住宅修理業者や保険金請求代行業者と契約してしまった場合のトラブルを説明しています。保険金が支払われずに修理代金を自己負担することになる、解約しようとすると高額な解約手数料を要求される、といった例です。
不安なときは消費者ホットライン188(いやや)に相談できます。請求は契約者本人でできます。必要な書類は保険会社によって違うため、被害の写真と修理見積もりを用意したうえで確認してください。断り方は訪問販売の記事にまとめています。
出典:消費者庁「火災保険を使って実質的に無料で修理ができる」などとうたい、火災保険金を利用した修理工事契約を締結させる事業者に関する注意喚起/日本損害保険協会「住宅の修理などに関するトラブルにご注意」
次の行動:保険証券を出して補償範囲を確認する。
自分でできる範囲と、雨樋を頼める業種
地上から手が届く範囲の掃除までが自分でできる範囲で、屋根の上や2階の高さの作業(高所作業)は業者に頼む範囲です。この線引きは技術の有無ではなく、落ちたときに何が起きるかで引きます。
頼み先は板金・屋根、外壁塗装、雨樋専門店、ホームセンター、便利屋・清掃業者に分かれ、それぞれ得意な範囲が違います。症状によって、向く相手が変わると考えてください。
雨樋の工事は「ついでの工事」として扱われやすく、内訳が粗いまま見積もりが出てくることもあります。
自分でやらないほうがよい作業
- はしごや屋根に上がって行うすべての作業
- 2階の高さでの部材の取り外し、取り付け
- 屋根の雪や氷を落としながらの樋の点検
- 冬季、凍った樋を無理に動かす作業
地上から柄の長い道具で落ち葉を取る程度なら、足元が安定していれば行えます。それ以上は頼んでください。
頼み先の違い
| 頼み先 | 得意な範囲 | 向く症状 | 注意点 |
|---|---|---|---|
| 板金・屋根業者 | 屋根まわり全般、金属の加工 | 雪で壊れた、屋根と一緒に見たい | 塗装は別業者になることがある |
| 外壁塗装業者 | 足場を伴う外まわり | 塗り替えと同時に直したい | 樋単体の小工事は受けない場合がある |
| 雨樋専門店 | 樋の部材と施工 | 部分交換、部材の特定 | 対応エリアが限られることがある |
| ホームセンター | 部材の販売、施工の手配 | 単純な部分交換 | 実際の施工は提携業者になる |
| 便利屋・清掃業者 | 清掃、簡易な処置 | 詰まりの解消 | 部材の交換や保証は範囲外のことが多い |
小さい工事でも見積書と事業者情報を確認する
国土交通省は、建設業の許可について「軽微な建設工事」のみを請け負う場合は許可を受けなくてもよいとしています。建築一式工事以外では、請負代金が500万円未満(消費税込み)の工事がこれにあたります。
雨樋の修理はこの範囲に収まることが多く、許可がないから悪い業者だという意味にはなりません。そのぶん、見積書の内訳、所在地と連絡先、工事後の対応を自分で確認することになります。業者選びの考え方は業者の選び方にあります。
雪が積もる前と、解けたあとに見る場所

見やすいのは雪が積もる前と雪が解けたあとの2つの時期です。積もる前は詰まりを取り、金具のゆるみを見ておく。解けたあとは、外れ・垂れ・あふれが出ていないかを確かめます。
雨樋の交換は、塗装ほど気温の制約を受けません。ただし屋根の上の作業は雪と凍結で止まります。春の発見が遅れると、工事を検討できる期間が短くなります。
道内は工事ができる期間そのものが限られます。だからこそ、見る時期を決めておくと、慌てて業者を探すことになりにくくなります。
樋の地上チェックは3か所
外を一周して、樋が水平か、継ぎ目から水が落ちていないか、縦樋の下がえぐれていないかを見ます。登らないことが前提で、屋根に上がる危険は屋根の雪処理で扱っています。
直せる時期と、足場を合わせる考え方
当サイトでは、気象庁の平年値をもとに市町村ごとの塗装カレンダーを作っています。月平均の日最低気温が5℃を上回る月を数えると、道内で4〜6か月の幅がありました。
樋の工事だけならこの幅より広く動けますが、足場を塗装と共有するなら塗れる時期に合わせます。時期の考え方は塗装ができる時期にあります。
次の行動:次の点検を「雪が積もる前」に予定として書き込む。
よくある質問
雨樋の悩みは、症状の見分けだけでは片づきません。音の正体、借家での分担、部材の入手。これらはどれも「誰に聞くか」で答えが変わります。本文で扱いきれなかった質問をまとめます。
共通しているのは、自分で判断する前に確認する相手がいるという点です。借家なら貸主か管理会社、部材の入手なら施工業者になります。順番を間違えると、あとから費用の負担でもめることがあります。誰に聞けばよいか、という観点で読んでください。
つなぎ目の補修はどうすればいいですか
古い樋では継ぎ手だけを取り寄せられないことがあります。製造が終わった系列かどうかを先に業者に調べてもらうと、部分交換で済むのか一連での組み直しになるのかが早く決まります。
ポコポコ音がするのはなぜですか
縦樋の中で水と空気が入れ替わるときに出る音とされています。詰まりかけている、または水量に対して樋が細いときに出やすくなります。音が続くなら、集水器や縦樋の詰まりを疑ってみてください。
借家やアパートの雨樋は誰が直すのですか
屋根や樋は建物の所有者が管理する部分にあたることが多く、まず貸主または管理会社へ連絡します。修繕の分担は契約書の定めによります。入居者が自分で業者を手配すると、費用の扱いでもめる原因になります。
100mmと105mmの違いは何ですか
どちらも軒樋の呼び方で、呼び径は実際の内寸とは別のものです。数字が近くても、断面の形や継ぎ手の作りが違えばつながりません。既存の樋に書かれた型番か、外れた部材そのものを業者に見せるのが確実です。
古い雨樋で同じ部品が手に入らないときは
製造が終わっている系列では、部分交換ができないことがあります。その場合は面ごとの交換です。部材の入手可否は見積もりの段階で確認しておくと、計画が立てやすくなります。
まとめ
雨樋の修理は、症状を5つに分けるところから始まります。継ぎ手と金具は地上から見分けがつき、部分補修で戻せることが多い壊れ方です。傾斜の狂いと割れは、近くで見ないと判断できません。
北海道では、原因に雪と氷が加わります。屋根から滑る雪、樋に残る氷、同じ場所にできるつらら。これらは金具に力をかけ続けるため、元に戻すだけの修理では再発します。
分かれ目は水の行き先です。外壁を伝う、基礎際にたまる、室内に影響が出ている。この3つのどれかなら待てません。ぶら下がった部材は、水の行き先と関係なく、待たずに手を打つ対象です。
次にやること
- 自分の症状を5つの壊れ方のどれかに当てはめる
- 地上から写真を撮る(登らない)
- 保険証券で風災・雪災の補償範囲と免責を確認する
- 塗り替えの予定があるなら、足場を共有できるか相談する
実際の金額は建物と工事内容で変わります。保険の適用可否は保険会社が、工事の可否は現地を見た施工業者が判断します。お問い合わせは記事へのご指摘や監修のご相談の窓口です。
この記事は編集部が公的資料をもとにまとめたものです。当サイトは施工を請け負っていません。

