最終更新:2026年9月6日公開:2026年8月5日編集方針と検証の手順
10月に業者へ相談したら、「今年はもう間に合いません」と言われた。外壁は傷んでいる。このまま冬を越して大丈夫なのか。春まで、何もできないのか。
北海道で外壁塗装ができる期間は限られています。時期を逃したら、塗装そのものは翌春まで待つことになります。それでも、待つあいだにできることはあります。
この記事では、国が定めている工事の仕様書や、国の研究機関の資料をもとに、なぜ冬は塗れないのか、待つあいだに何をするのか、何をしてはいけないのかを整理します。
なお、この記事は工事を請け負う立場で書いたものではありません。掲載する内容は一般的な整理で、実際の判断は現地の確認によります。
結論:塗るのは春、それまでは守る
先に要点を示します。
- 低温と高湿度では塗料が乾きません。無理に塗ると持ちません
- 待つあいだにやることは、水を入れない、記録を残すの2つです
- 屋根やはしごに上がる作業はしないでください
- 冬のうちに見積もりの比較と契約を済ませておけます
「何もできない」わけではありません。やることの中身が変わるだけです。塗る工事から、守る手入れと、次の準備に切り替わります。
この記事で扱わないこと
- 施工できる時期の考え方 … 北海道で外壁塗装ができる時期
- 雪から外壁を守る全般 … 雪から外壁を守る
- すが漏りの仕組み … すが漏りとは
- 火災保険の使い方 … 火災保険は使えるか
なぜ冬は塗れないのか

塗れない理由は、根性や段取りの問題ではありません。
気温と湿度に条件がある
国土交通省の公共建築工事標準仕様書は塗装について「気温が5℃以下、湿度が85%以上、結露等で塗料の乾燥に不適当な場合は、塗装を行わない。ただし、採暖、換気等を適切に行う場合は、この限りでない」と定めています。
採暖という例外はありますが、住宅の外壁全面を温めながら塗るのは現実的ではありません。屋外での塗装は、気温が確保できる期間に限られることになります。
雨と風でも止まる
同仕様書は「外部の塗装は、降雨のおそれのある場合又は強風時は、原則として、行わない」ともしています。
採暖を行う場合でも、外壁全面にわたって条件を保ち続けるには相応の設備が要ります。「囲って温めるからできる」という説明があれば、具体的に何をするのかを聞いてください。
晩秋は天候が安定しません。気温の条件を満たす日でも、雨や風で作業できない日があります。実際に塗れる日は、予想より少なくなります。
足場も危険になる
凍結した足場での作業は危険です。朝の冷え込みで足場板が凍れば、その日は動けません。
雪が積もれば、足場そのものに荷重がかかります。足場の点検が必要になる場面も増えます。足場の考え方は足場代の中身にまとめています。
無理に塗るとどうなるか
低温で塗った塗膜は、必要な性能が出ないことがあります。塗った直後は問題なく見えても、数年で不具合が出るという経過をたどりえます。
「うちは冬でもできます」という提案があった場合、どういう条件で、何を根拠にできると判断しているのかを確認してください。
出典:国土交通省「公共建築工事標準仕様書(建築工事編)令和7年版」
待つあいだに何が進むか

春まで待つことのリスクも、正しく把握しておく必要があります。
凍結と融解
塗膜が切れている外壁は、水を吸います。吸った水が凍れば体積が増え、内側から材料を押します。これが解けてまた凍る、という往復が冬のあいだ続きます。
ひび割れがある場合、この往復でひび割れが広がることがあります。秋に見つけた小さなひび割れが、春には大きくなっているということが起こりえます。
水の入り口
国土技術政策総合研究所の資料は、雨水浸入のリスクを増大させる要因として二次止水層の止水性能が不十分なことなどを挙げています。表面の塗膜だけが守っているわけではありませんが、切れた箇所は入り口になりえます。
とくに、シーリングが切れている目地、板金の取り合い、換気口のまわりは、冬のあいだも水が動く場所です。
下地への影響
入った水が下地に達すれば、木部であれば湿ります。湿った状態が続けば、腐朽が進む条件になります。
ただし、一冬で急に家が壊れるわけではありません。過度に不安になる必要はなく、水の入り口をふさぐことに集中してください。
不安をあおる説明を受けたときは、この点を思い出してください。「今日決めないと手遅れになる」という話は、冬の外壁については当てはまりにくいものです。工事ができない時期であれば、なおさら急ぐ理由がありません。
出典:国土交通省国土技術政策総合研究所「木造住宅の劣化対策ガイドライン」第3編第Ⅳ章
急ぐかどうかの見きわめ

「春まで待てるか」は、症状によって答えが変わります。目安を整理します。

| 状態 | 扱い | 考え方 |
|---|---|---|
| 色あせ、チョーキング | 春まで待てる | 保護の力は落ちているが急変しない |
| 細いひび割れ | 春まで待てる | 記録して変化を見る |
| シーリングの切れ | 場所による | 水が入る位置なら相談 |
| 塗膜の広いはがれ | 相談する | 下地が露出している |
| 板金の浮き・外れ | 相談する | 風で飛ぶおそれがある |
| 室内に水が来ている | すぐ連絡 | 待つ判断ではない |
下の2つは、季節に関係なく対応が要る状態です。「冬だから春まで」という一般論を当てはめないでください。
風で飛ぶものは先に手を打つ
外れかかった板金や雨どいは、強風で飛べば近隣に被害が出ます。塗装とは別の話として、固定や撤去を相談してください。
この対応は、冬でもできることが多い作業です。塗装ができない時期でも、部材の固定はできるという区別をしておいてください。
室内に水が来ている場合
天井のしみが広がっている、水が落ちてくるという状態は、春まで待つ判断ではありません。原因の調査と応急の止水について、すぐ相談してください。
冬の雨漏りは、すが漏りである可能性もあります。すが漏りは外壁塗装では止まりません。仕組みはすが漏りとはで扱っています。
今すぐできること

費用がかからず、効果のあるものから並べます。

1.雨どいと排水口の掃除
これがもっとも効きます。落ち葉と砂を取り除いておけば、冬のあいだに水がたまりません。
雨どいが詰まっていると、あふれた水が外壁を伝います。その水が凍れば、外壁の一部だけに氷が張り付くことになります。手の届く範囲で構いません。
手が届かない場所は、無理をせず業者に依頼してください。雨どいの清掃だけを頼めることもあります。足場を組まずにできる範囲であれば、費用は大きくなりません。
2.写真を撮っておく
気になる箇所を、今の状態で撮っておいてください。春に比べれば、冬のあいだにどれだけ進んだかが分かります。
撮るときは、全体の写真と近接の写真をセットにしてください。どこを撮ったか分からない写真は、あとで役に立ちません。
ひび割れは、定規やコインを当てて撮ると大きさが分かります。撮影した日付が残る形で保存しておいてください。春に見比べたとき、変化があったかどうかが判断できます。
3.室内側を観察する
外に出なくてもできることです。天井のしみ、壁紙の浮き、窓まわりの結露やカビを見ておいてください。
冬は室内外の温度差が大きくなり、結露が出やすい時期です。結露と雨漏りは見た目が似ていることがあります。判別の考え方は雨漏りの原因の調べ方にまとめています。
4.雪の当たり方を見る
雪が降ってからでないと分からないことがあります。どこに雪が積もるか、どこから落ちるか、どこが吹きだまりになるか。
これらは春の工事の計画にも関わります。雪がたまる面は、塗装以外の対策も要るかもしれません。雪と外壁の関係は雪から外壁を守るで扱っています。
5.外壁のまわりを空けておく
外壁に接して物を置いていると、そこだけ乾きません。雪囲いの資材、物置、自転車などが壁に接していないかを見てください。
離すだけで、その部分の条件が変わります。費用がかからず、すぐにできる対策です。
物置や自転車だけでなく、積み上げた薪、たてかけた板、伸びた植栽も同じです。壁に触れているものは、すべて乾きを妨げます。
部分的な応急処置

手が届く範囲で、水の入り口をふさぐことはできます。
できることの範囲
| 状態 | 応急処置 | 注意 |
|---|---|---|
| 目地のシーリングが切れている | 業者に部分補修を相談 | 低温では材料が硬化しにくい |
| 外壁のひび割れ | 状態を記録して春に補修 | 幅と長さを測っておく |
| 板金が浮いている | 業者に相談 | 自分で押さえない |
| 雨どいが外れた | 業者に相談 | 高所は触らない |
| 窓まわりから水が入る | 室内側で受ける | 外側の処置は業者へ |
シーリングにも温度の条件がある
日本シーリング材工業会の資料も、住宅外壁の改修におけるシーリングの施工手順を示しています。シーリング材にも硬化の条件があり、低温では性能が出にくくなります。
したがって「冬にシーリングだけ打っておく」という処置は、あくまで一時的なものと考えてください。春に本格的な打ち替えをする前提で、水を止める目的に限ります。シーリングの考え方はシーリングの打ち替えで扱っています。
室内側で受けるという方法
水が入っている場所が特定できていて、外から手が出せない場合、室内側で受けて被害を広げないという考え方があります。
容器を置く、タオルを敷く、家具を移動するといった対応です。根本の解決ではありませんが、内装への被害を抑えられます。
このとき、水が落ちている場所と量を記録しておいてください。いつ、どれくらい落ちたかが分かれば、原因の絞り込みに役立ちます。
出典:日本シーリング材工業会「住宅外壁改修のためのシーリング材ガイド」
やってはいけないこと

冬の応急処置で、いちばん重要なのはここです。
屋根に上がらない
冬の屋根は滑ります。雪、霜、凍結のいずれもが、足場を失わせます。金属屋根であればなおさらです。
警察庁も、住宅の点検を装って屋根に上がろうとする手口に注意を呼びかけています。自分で上がらないことと、頼んでいない業者を上げないことは、どちらも大切です。
はしごをかけない
地面が凍っていたり、雪でやわらかくなっていたりすると、はしごの脚が滑ります。雨どいの掃除も、手の届く範囲にとどめてください。
無理な雪下ろしをしない
屋根の雪を落とす作業は、それ自体が危険です。北方建築総合研究所などの資料でも、屋根の雪処理は住宅の設計と一体で考えるべきものとされています。
どうしても必要な場合は、専門の業者に依頼してください。自宅の屋根の形が落雪を前提としているかどうかも、判断の材料になります。屋根の形の話は無落雪屋根の塗装で扱っています。
自分で塗らない
ホームセンターで塗料を買って、気になる箇所だけ塗るという方法を考える方がいます。冬は乾かないため、塗った塗料が下地との間に水分を閉じ込めることがあります。
また、春に本格的な塗装をする際、その部分だけ扱いが変わります。結果として手間が増えることがあるため、業者に相談してからにしてください。
不安をあおられて即決しない
「このままでは家が持ちません」「今日なら安くできます」という進め方には、注意が必要です。冬は本工事の条件がそろいにくい時期だと知っていれば、その場で決める理由がないと分かります。
国民生活センターも、点検をきっかけとする契約に関する注意を公表しています。詳しくは訪問販売への対応で扱っています。
出典:警視庁「点検商法」/北海道立総合研究機構北方建築総合研究所ほか「戸建て住宅の屋根の雪処理計画」/国民生活センター「訪問販売によるリフォーム工事・点検商法」
冬のうちに進めておけること

工事ができない時期だからこそ、落ち着いて進められることがあります。
複数社から見積もりを取る
春先は問い合わせが集中します。冬のあいだであれば、業者にも時間の余裕があります。じっくり説明を受けられる時期です。
見積もりの比べ方は見積書はどこを見る?にまとめています。
契約と工事の予約
春の施工枠は早く埋まります。冬のうちに契約しておけば、良い時期に工事を入れられます。
ただし、契約の内容は落ち着いて確認してください。着工が数か月先になる場合、価格の変動や工期の定めがどうなっているかを見ておく必要があります。契約書の見方は契約書で確認する項目で扱っています。
補助金や制度を調べる
自治体によっては、住宅の改修に関する支援制度があります。申請の時期が決まっているものもあるため、冬のうちに調べておくと間に合います。
北海道の制度は北海道の補助金に、税制やローンはローンと減税にまとめています。
色を決めておく
色の検討には時間がかかります。冬のあいだに候補を絞っておけば、春に慌てずに済みます。
ただし、雪がある時期の見え方と、雪がない時期の見え方は違います。両方の状態で近所の家を見ておくと、判断の材料が増えます。色の選び方は外壁の色の選び方で扱っています。
冬のあいだの点検の頻度
放っておくのではなく、ときどき見るという姿勢が現実的です。
月に一度、外を一周する
雪の少ない日に、家の周りを歩いてみてください。目的は詳しく調べることではなく、変化に気づくことです。
- つららの位置 … 例年と違う場所に出ていないか
- 氷の張り付き … 外壁の一部だけ濡れて凍っていないか
- 雪の落ち方 … 特定の場所に集中していないか
- 雨どい … 外れ、たわみ、氷の詰まり
- 基礎まわり … 融雪剤の跡、雪の残り方
2番目は見落とされがちです。外壁の一部だけが濡れて凍っているのは、そこに水が流れている合図になりえます。
つららは合図になることがある
軒先に大きなつららができるのは、屋根の雪が解けて端で再び凍っていることを意味します。すが漏りにつながる条件と重なります。
ただし、つらら自体は珍しいものではありません。例年と比べて明らかに多い、または今年から出るようになった場合に、気に留めておく程度で十分です。仕組みはすが漏りとはで扱っています。
室内の変化も月に一度
押し入れの奥、天井の隅、窓の上部といった、普段見ない場所を確認してください。新しいしみが出ていないかを見るだけで足ります。
冬は結露が出やすい時期です。すべてのしみが雨漏りとはかぎりません。ただし記録しておけば、春に業者へ説明する材料になります。
災害による損傷の場合
台風や大雪で壊れた場合は、別の考え方が必要になります。
まず記録する
いつ、どこが、どう壊れたかを記録してください。写真と日付が、あとの手続きで必要になります。
保険の対象になりうる
火災保険には、風災や雪災を対象とする補償が含まれていることがあります。経年劣化は対象外とされるのが一般的です。
日本損害保険協会や消費者庁は、保険金を使った住宅修理をうたう事業者に関する注意を公表しています。「保険が使えるから自己負担ゼロ」という勧誘には注意してください。詳しくは火災保険は使えるかで扱っています。
応急処置は必要な範囲で
被害の拡大を防ぐための応急処置は、その場で必要になることがあります。ただし、その作業自体が危険であってはいけません。
屋根や高所に関わるものは、業者に依頼してください。連絡がつかない場合でも、自分で上がる判断はしないでください。
出典:日本損害保険協会「住宅の修理などに関するトラブルにご注意」/消費者庁「火災保険金を利用した修理工事契約を締結させる事業者に関する注意喚起」
そもそも間に合わなかった理由
次の年に同じことにならないよう、原因を整理しておく価値があります。
相談の時期が遅かった
もっとも多いのがこれです。秋に外壁の傷みに気づいて、そこから業者を探し始めると、その年の枠には入りません。
見積もりを取り、比較し、契約して、工事の日程を決めるまでには時間がかかります。春に工事をするなら、その前の冬から動き始めるのが無理のない流れです。
点検の習慣がなかった
外壁は毎日見ているようで、変化には気づきにくいものです。年に一度、時期を決めて見るという習慣があれば、判断が早くなります。
北海道では、雪が解けた春が点検の適期です。冬のあいだに起きた変化がそのまま残っており、その年のうちに工事の段取りも組めます。点検の目安は外壁の劣化サインと点検の目安にまとめています。
比較に時間をかけすぎた
複数社から見積もりを取ること自体は正しい進め方です。ただし1社ずつ順番に呼んでいると、それだけで数か月かかります。
同じ時期にまとめて依頼し、そろった段階で比べるほうが早く決まります。比較の観点をあらかじめ決めておくと、迷う時間も減ります。
判断を先送りした
金額が大きいため、決めきれずに時間が過ぎることがあります。これは自然なことですが、季節は待ってくれません。
「今年やるのか、来年にするのか」を先に決めてしまうと、動きやすくなります。来年と決めたなら、冬のあいだの準備に集中できます。
春になったらまずすること

雪が解けたら、順序を決めて確認します。
- 秋に撮った写真と見比べる … 変化があるか
- 外壁の下部 … 融雪剤、泥はね、凍害の跡
- 目地とシーリング … 切れが広がっていないか
- 雨どいと排水口 … 詰まり、外れ
- 室内 … 新しいしみが出ていないか
- 業者に連絡 … 見てもらう
1番目ができるのが、秋に写真を撮っておいた意味です。変化があった箇所は、原因を確かめる価値があります。
変化がなければ、それも情報です。「一冬越しても進まなかった」と分かれば、工事の優先度を落とす判断ができます。記録は、やらない判断の根拠にもなります。
春は工事が混む
雪解けから梅雨のない北海道の夏にかけて、工事は集中します。連絡が遅れると、その年の枠が埋まってしまうことがあります。
冬のうちに業者を決めておけば、この心配がありません。時期の考え方は北海道で外壁塗装ができる時期にまとめています。
冬でもできる工事はあるか
「外壁塗装はできない」というだけで、住まいに関わる工事がすべて止まるわけではありません。
| 作業 | 冬の可否 | 備考 |
|---|---|---|
| 外壁の塗装 | 難しい | 気温・湿度・乾燥の条件 |
| 屋根の塗装 | 難しい | 加えて足場の凍結 |
| 部材の固定・撤去 | できることがある | 飛散防止が目的 |
| 雨漏りの応急止水 | できることがある | 範囲は限られる |
| 現地調査・見積もり | できる | 積雪で見えない部分もある |
| 室内側の補修 | できる | 原因が止まっていることが前提 |
調査は雪の状況による
見積もりのための調査は冬でもできますが、雪に埋もれている部分は確認できません。基礎まわりや外壁の下部は、春に改めて見てもらう必要があります。
この点を業者と共有しておいてください。「春に再確認したうえで最終的な見積もりにする」という進め方であれば、あとの追加が減ります。
室内側の補修は原因を止めてから
天井のしみを直しても、原因が残っていれば再び出ます。内装だけ先に直すのは、原因の処置が終わってからにしてください。
順序を逆にすると、直した内装をもう一度やり直すことになります。費用が二重にかかる典型的な例です。
よくある質問
一冬待って手遅れになりませんか
一冬で決定的に悪化するとはかぎりません。ただし、すでに雨漏りが起きている場合は別です。その場合は、応急の対応について業者に相談してください。
冬でも工事できると言う業者がいます
条件を整えられる場合や、屋内側の作業であれば可能なこともあります。何をどういう条件でやるのかを聞いてください。外壁全面の塗装であれば、慎重に確認する必要があります。
雪囲いは外壁に良くないですか
壁に接して立てかけると、その部分が乾きません。少し離す、下を空けるといった工夫で条件が変わります。
融雪剤が外壁にかかっています
春に洗い流してください。塩分を含む成分が残ると、材料によっては影響が出ます。下部だけ念入りに洗うという判断もあります。
秋に見つけたひび割れを測っておくべきですか
測っておくと、変化が分かります。定規を当てた写真を撮っておけば十分です。ひび割れの扱いは外壁のひび割れと補修にまとめています。
春の予約は今からできますか
多くの業者で受け付けています。ただし、雪で確認できない部分があることを前提に、春の再確認を含めた進め方にしてください。金額が変わる可能性があるなら、その扱いも決めておきます。
秋に契約したのに着工しませんでした
天候によるものか、段取りによるものかで扱いが変わります。契約書の工期と、中止・変更に関する条項を確認してください。読み方は契約書で確認する項目にまとめています。
春まで待つあいだ、費用はかかりますか
ここまで挙げたことの多くは、費用がかかりません。掃除、記録、観察、物を離すことが中心です。業者に応急処置を頼む場合は、その分の費用が発生します。
凍害という言葉
冬をまたぐ話をするとき、「凍害」という言葉が出てくることがあります。
何を指すのか
材料が吸った水が凍り、体積が増えることで内部から傷んでいく現象を指します。表面がぼろぼろと欠ける、層状にはがれるといった形で出ます。
寒冷地では、この現象が外壁材に影響しうる条件がそろいます。水を吸う状態にあることと、凍結融解が繰り返されることの両方が必要です。
だから塗膜が意味を持つ
塗膜が生きていれば、材料は水を吸いにくくなります。塗り替えが「見た目のため」ではないと言われるのは、この点にあります。
逆に言えば、塗膜が切れた状態で冬を越すことには、寒冷地なりの意味があるということです。ただし一冬で決定的に進むわけではありません。過度に不安になる必要はなく、翌春に確実に手を打つことが大切です。
凍害が疑われる状態
春に外壁を見て、表面がぼろぼろと欠けている、薄い層になってはがれているという状態があれば、業者に伝えてください。
この場合、塗り替えだけでは対応できないことがあります。材料そのものが傷んでいれば、補修や張り替えの検討が必要になります。外壁材の考え方は外壁材と塗料の組み合わせで扱っています。
まとめ
北海道で施工の時期を逃したら、外壁の塗装そのものは翌春まで待つことになります。低温と高湿度では塗料が乾かず、無理に塗っても持ちません。
待つあいだにやることは2つです。水の入り口をふさぐことと、記録を残すこと。雨どいと排水口の掃除は、費用がかからず効果があります。
やってはいけないことも、はっきりしています。屋根に上がらない、はしごをかけない、無理な雪下ろしをしない、自分で塗らない。冬の高所作業は、それ自体が事故につながります。
ただし、室内に水が来ている場合と、風で飛びそうな部材がある場合は別です。この2つは季節に関係なく、すぐに相談してください。
そして、工事ができない時期は、業者を選ぶには良い時期です。春先の混雑を避けて、落ち着いて比較できます。冬のうちに決めておけば、雪が解けた直後から動けます。待つ時間を、準備の時間に変えてください。
災害による損傷の場合の保険の考え方は、地震で外壁が傷んだときにまとめています。
春を待つあいだに一部だけ手を入れる場合の判断は、部分塗装の記事もあわせてご覧ください。
本記事は施工時期を逃した場合の一般的な整理で、個別の住宅の状態や必要な措置を判断するものではありません。引用した公共工事の仕様書は公共建築物を対象としたもので、戸建住宅にそのまま適用されるものではありません。屋根・はしご・足場を用いる高所作業、および無理な除雪は行わないでください。雨漏りが生じている場合や被害が拡大している場合は、業者または自治体の相談窓口にご相談ください。

