外壁塗装の膨れ・剥がれの原因|施工不良の見分け方と直し方

劣化とトラブル

最終更新:2026年9月6日公開:2026年8月9日編集方針と検証の手順

100万円前後をかけた外壁塗装が、数年で膨れてきた。指で押すとぶかぶかして、端から薄い皮のように剥がれている。

頭に浮かぶのは「手抜き工事だったのでは」という疑いと、「言って揉めたらどうしよう」というためらいでしょう。検索すると「2〜3年で剥がれたら施工不良」と書いてある記事もあれば、そうとは限らないと書いてある記事もあります。

先に結論を書くと、年数だけでは決まりません。原因には3つの系統があり、請求できる根拠も3つあります。

順番に確かめれば、感情のぶつけ合いにならずに進められます。

使う材料は、公的な相談統計と塗料メーカーの技術資料、そして公開されている相談事例です。膨れ・剥がれの切り分け方と、その後の進め方を順に整理します。

なお、当サイトは工事の依頼や見積もりを受け付けていません。掲載する金額は参考値です。

結論:年数で決めつけず、原因と契約で切り分ける

外壁の膨れをスマートフォンで記録する手元

年数だけで施工不良と決めつけず、原因と契約で切り分けるのが近道です。やることは3つで、順番も決まっています。

見つけてからの進め方
見つけてからの進め方
  • まず記録を作る。触る前に写真を撮り、日付と場所を残します。膨れを潰すと手がかりが消えます
  • 次に原因の系統を推定する。経年劣化・施工に起因・素地や環境に起因の3つに分けて考えます
  • 最後に根拠を確かめる。契約の保証、リフォームかし保険、民法の契約不適合責任の3本柱です
  • 「◯年で剥がれたら施工不良」という年数の基準は、本記事で確認した公的資料には見当たりませんでした。年数は手がかりの一つとして扱います

記事は、原因の話(どう起きるか・3系統・年数の扱い)、行動の話(記録・調査の依頼先)、根拠の話(保証・かし保険・民法)の順です。

この記事で扱わないこと

外壁塗装の膨れ・剥がれはどう起きるか

塗膜が膨らんだ外壁の接写

膨れは、剥がれの前段階になることがあります。塗膜は「くっついている」ことで成り立っていて、日本ペイントの技術資料は、はがれを「塗膜の付着力が失われ、素地や塗膜界面からはがれる現象」と定義しています。

膨れのほうは、「塗膜がその内部に含まれる液体やガス、さび等によりふくれる現象」とされています。原因の型は、外部から液体が入る場合、内部の水分や溶剤が気化する場合、さびが発生した場合の3つです。

塗膜どうしの層で剥がれる層間剥離と、素地との境目から剥がれる場合とでは、疑うべき工程が変わります。

この2つは連続することがあります。塗膜の裏に水や気体がたまって浮き上がり、その部分が破れて剥がれに進む、という経過です。

膨れの段階で気づけたなら、範囲が限られているうちに原因を確かめられます。逆に、剥がれが広い面に及ぶと部分補修では収まらず、壁の中まで水が回れば塗装以外の工事も必要になります。

膨れは大きさと手ざわり(やわらかいか、固いか)まで記録しておくと、後の説明がしやすくなります。

出典:日本ペイント「はくり・付着不良・はがれ」同「ふくれ」

「はがれ」はリフォーム相談で最多

膨れ・剥がれは、珍しい失敗ではありません。住まいるダイヤル(住宅リフォーム・紛争処理支援センター)の住宅相談統計年報2024を見ると、それがはっきりします。

戸建て住宅のリフォーム相談で最も多い不具合事象は「はがれ」で657件・17.6%でした。

次いで「性能不足」「雨漏り」と続きます。相談の総数は3,730件(複数カウント)で、はがれが単独の最多です。

この数字は、同じ悩みで公的窓口に相談した人が大勢いることを示しています。相談を受ける側にも、事例が積み上がっているということです

ひとりで抱えて泣き寝入りする話ではありません。まず状況を整理して、使える窓口に持ち込むところまでを目標にしてください。

出典:住まいるダイヤル「住宅相談統計年報2024」

原因は3つの系統に分かれる

面ごとに傷み方が違う住宅の外壁

原因は「経年劣化か施工不良か」の二択ではありません。素地や環境に起因する第3の系統があり、ここを見落とすと交渉が噛み合わなくなります。

膨れ・剥がれの原因3系統
膨れ・剥がれの原因3系統
系統 出やすい時期 見た目の傾向
経年劣化 塗り替えから年数がたつほど 建物全体で少しずつ進む。チョーキング(触ると白い粉がつく現象)や色あせを伴いやすい
施工に起因 比較的早い時期に出やすい 特定の面や部位にまとまって出る。境目がはっきりする
素地・環境に起因 数年後に出ることもある 目地まわり、日当たりの強い面、特定の外壁材の部分に集中

3つは重なることもあります。蓄熱しやすい壁に、乾燥時間の足りない施工が重なる場合です。

だからこそ、どこに・いつ・どんな形で出たかという事実の記録が効いてきます。

表の「見た目の傾向」は、あくまで傾向です。1面だけに出ていても素地の条件が原因のこともあれば、全体に薄く出ていても施工の問題が絡むこともあります。

参考になるのは、同じ条件の面どうしの比較です。南面だけに出ているなら日射と温度、下屋の上だけなら水の当たり方、と絞り込めます。

断定を急がず、当てはまりそうな系統をいくつか残したまま、次の記録の段階へ進んでください。

施工に起因する典型パターン

高圧洗浄後に濡れている外壁の壁面

施工側の要因として技術資料が挙げるのは、下地処理の不足・塗装時の水分・乾燥や工程間隔の不足です。日本ペイントの技術資料は、はっきりこう書いています。

「素地調整が不完全であった場合など素地面に、油脂、埃、水、塩分などが付着している上に塗装を行った場合」。「塗装初期から付着力が弱く、短期間で塗膜のはくりを生じる」とされています。

膨れについても「塗装時、被塗面が結露など水分があった場合や水分が混入した場合、水分が気化してふくれを生じる」とされています。対策として「塗装環境が使用制限外(降雨、気温、湿度など)の場合は塗装しない」とも明記されています。

洗浄後に十分乾かさないまま塗る、結露した朝に塗る、工程の間隔を詰める。いずれも現場の段取りの問題で、材料の良し悪しとは別の話です。

鉄部のケレン(さび落とし)不足や、モルタル面のひび割れを埋めないままの塗装も、密着性を落とす原因として挙げられます。

塗料の扱いも見落とせません。塗布量が足りない、規定を超えて薄めるといった扱いは、決められた膜の厚さが出ず、付着の力にも影響します。

塗る面の下ごしらえは、仕上がりの見た目には出ません。工事中の写真を残してもらえるかが後で効いてきます。

洗浄後の乾燥時間、下塗り材の製品名、各工程の日付。この3つが工程写真や日報に残っていれば、話は具体的になります。

これから工事を頼む人は、契約前に「工程写真をもらえますか」と聞いておいてください。

高圧洗浄の目的と乾燥の必要性は高圧洗浄の記事で扱っています。工程の順序は工事の流れの記事が参考になります。

出典:日本ペイント「はくり・付着不良・はがれ」同「ふくれ」

素地側の要因もある

サイディングの目地に打たれたシーリング

丁寧に塗っても膨れが出やすい条件があります。日本ペイントの用語集は、起こりやすい状況を3つ挙げています。

水分・溶剤を含む素地への塗装、蓄熱性の高い素地に塗られた弾性塗料を剥がさずに塗り替えたとき、素地からの漏水です。

用語集は、蓄熱性が高い素地の例として窯業系サイディング(セメントと繊維を混ぜて板状にした外壁材)やALCパネル(軽量気泡コンクリート板)を挙げています。夏に壁の温度が上がる条件がそろうと、この組み合わせで膨れが出やすくなるという説明です。

もうひとつ、シーリング(目地)の扱いが論点になった公開事例があります。工事後1年弱で剥がれたこの事案について、弁護士は原因を「既存のシーリング材をそのままにして、その上から塗装を行ったこと」とみています。

この事案では、契約に打ち直しが含まれていたかどうかが判断の分かれ目になっています。打ち替えの一般的な考え方はコーキング打ち替えの記事にまとめています。

大事なのは、素地の条件と施工の判断が切り分けられないことです。蓄熱しやすい壁だと分かっていれば、旧塗膜の処理や下塗り材の選び方が変わります。

「素地が悪いから仕方ない」で終わる話ではありません。素地の条件を踏まえた仕様だったかが、次の論点になります。

出典:日本ペイント 塗料用語集「膨れ」住まいるダイヤル 相談事例「外壁塗装のリフォーム工事後1年弱で塗料が剥がれてきた」

外壁塗装が数年で剥がれたら施工不良、と言い切れない理由

年数で施工不良を決める基準は、本記事で確認した公的資料には見当たりませんでした。解説記事に出てくる「2〜3年なら施工不良」という数字も、出典の示されていない相場観です。

技術資料が言っているのは「素地調整が不完全なら短期間で剥離する」までで、年数の定義はありません。いっぽう蓄熱が関わる膨れは、夏に壁の温度が上がる条件がそろって初めて出るとされ、時期が読みにくい型です。

年数を捨てる必要はありません。2年での剥がれと10年での剥がれでは、疑う順番が変わります。

ただし年数は決め手ではなく手がかりです。出た場所・広がり方・外壁材・施工時期の天候と合わせて初めて、原因の推定に使えます。

交渉の場でも、年数を根拠に押し切ろうとすると「経年です」と返されて終わります。事実を並べたほうが、相手も現地を見る理由を持てます。

もうひとつ、保証書に書かれた年数と、法律上の通知期限は別物です。それぞれ別に効くので、混ぜて考えると判断を誤ります。

出典:日本ペイント「はくり・付着不良・はがれ」同 塗料用語集「膨れ」

国の仕様書が定める施工条件

塗装してよい条件には、公的な目安があります。国土交通省の公共建築工事標準仕様書18章には、こう書かれています。

気温が5℃以下、湿度が85%以上、結露等で塗料の乾燥に不適当な場合は、塗装を行わない。ただし、採暖、換気等を適切に行う場合は、この限りでない」。

後半のただし書きが大切です。低温でも、暖めたり換気したりして条件を整えれば施工できる、という書き方になっています。

外部の塗装については「降雨のおそれのある場合又は強風時は、原則として、行わない」とも書かれています。工程間隔についても「各塗装工程の工程間隔時間及び最終養生時間は、材料の種類、気象条件等に応じて適切に定める」と求めています。

大切なのは、これが公共建築の工事を発注するときの仕様書だという点です。戸建ての民間工事にそのまま適用される法律ではありません。

それでも、施工時期の天候を振り返るときの物差しにはなります。ただし書きまで正確に読んでおいてください。

出典:国土交通省「公共建築工事標準仕様書(建築工事編)令和7年版」18章

北海道で条件が厳しくなる場面

北海道では、この5℃・85%という条件に引っかかる日が出やすくなります。多くの地域で、冬を中心に月平均気温が5℃を下回る期間が続くためです。

春先と晩秋は朝の冷え込みと結露が重なり、塗ってよい時間帯が短くなる日もあります。

エスケー化研は水性塗料について、「5℃以下の低温下では使えないことから、寒冷地等の低温下においては、溶剤形の塗料の方が適しております」と説明しています。材料の選択も気温と結びついています

同社は塗膜の透湿性についても、「塗膜に通気性・透湿性があると、塗膜の内部に水蒸気が溜まらないので、塗膜の欠陥であるふくれの発生を防止できます」としています。壁の中の水蒸気を逃がせるかどうかも、膨れに関わる条件です。

市町村ごとの適期は、当サイトが気象庁の平年値から作った市町村別の塗装カレンダーで確かめられます。工事の時期が適期の外だったなら、それも記録しておく価値があります。

なお、凍害による外壁表面の壊れと、塗膜の膨れは別物です。凍害は外壁材そのものが内部から崩れる現象で、塗膜だけの問題では終わりません。

見分け方は凍害の記事を参照してください。

出典:エスケー化研「よくあるご質問(塗料の性能)」

自分でできる記録と観察

外壁の症状を記録するノートとメジャー

最初にやるのは記録です。原因調査でも交渉でも、事実の積み重ねが土台になります。

  • 触る前に写真。全体が分かる引きの写真と、症状が分かる寄りの写真を両方
  • 日付を残す。撮影日が入るようスマホの設定を確認しておきます
  • 場所を記録。方角(南面・北面)、階、窓や目地との位置関係
  • 広がりを追う。1〜2週間おきに同じ角度で撮ると、進み方が分かります
  • 工事の書類をそろえる。契約書・見積書・保証書・工程表・引き渡し日

施工時期の天気も調べておくと役に立ちます。気象庁が公開している過去の気象データで、当時の気温や降水を確認できます。

ここまでそろえてから連絡すると、話は事実の確認から始まります。

記録は特別な道具がなくても作れます。スマホの写真と、日付・場所のメモで足ります。

写真には定規やカードを一緒に写すと、あとから見ても大きさが分かります。

塗り替えの年月日と、使った塗料の名前も控えておきます。耐用年数の話をするときの土台になります。

膨れを潰してはいけない

見つけると押したくなりますが、潰すのは避けてください。潰した瞬間、原因調査の手がかりが消えます。

膨れの中身が水なのか気体なのか、素地との界面で剥がれているのか塗膜どうしの層で剥がれているのか。これらは原因の系統を見分ける材料になります。

中がどうなっているかは、調査に来た人に確かめてもらってください。自分で開けるより、状態を保ったまま見せるほうが判断は早く進みます。

さらに、破れた膜は水の入口になります。せっかく守っていた壁に、自分で穴を開けることになりかねません。

剥がれ落ちた塗膜の破片も、捨てずに保管してください。厚みや層の状態が手がかりになります。

雨や雪が近く、どうしても応急でしのぐ必要があるときの考え方は応急処置の記事にまとめています。

原因調査を誰に頼むか

最初の相手は施工した会社です。保証や契約不適合責任を負うのは、原則としてその会社になります。

連絡は電話だけで済ませず、メールなど記録に残る形を併用してください。日付・症状・場所を書き、写真を添えて現地確認を求めます。

説明に納得できないときは、第三者に相談できます。住まいるダイヤル(住宅リフォーム・紛争処理支援センター)は、住宅の電話相談を受け付けている窓口です。

同センターのリフォーム相談の案内によると、電話相談は建築士の相談員が担当します。電話は03-3556-5147、受付は10:00〜17:00です(土・日・祝休日・年末年始を除く)。

消費生活センターにつながる消費者ホットライン188も使えます。どちらも工事を売る立場ではないので、判断を急かされる心配がありません。

第三者に相談すると決めた時点で、記録の価値はさらに上がります。

電話をかける前に、契約書・見積書・保証書・写真を手元にそろえてください。時系列のメモがあれば、限られた時間を有効に使えます。

出典:住まいるダイヤル「リフォームの見積書に関する相談」

請求の根拠は3つある

契約書と保証書を確認する手元

無償の補修を求める根拠は、契約の保証だけではありません。保証・保険・法律の3本柱があり、それぞれ期間も相手も違います。

根拠 期間の目安 相手・使い方
契約の保証(自社保証) 保証書の記載による 施工店。対象範囲と免責事項を保証書で確認
リフォームかし保険 構造・雨水5年/その他1年 加入した工事のみ。事業者が倒産した場合は発注者へ支払い
民法の契約不適合責任 不適合を知った時から1年以内に通知 施工店。要件を満たせば補修・減額・損害賠償・解除を請求できる

リフォームかし保険について、住宅瑕疵担保責任保険協会はこう説明しています。「保険対象は、リフォーム工事を実施した全ての部分です」。

期間は「構造耐力上主要な部分・雨水の浸入を防止する部分は5年間、その他の部分は1年間」です。外壁の塗装仕上げがどちらに当たるかは、症状と保険の内容によって変わりますので、加入先に確認してください。

ただし、この保険は工事のときに事業者が加入していなければ使えません。契約書類に保険の証券や案内がないか確かめてください。

この保険には、もうひとつ意味があります。協会の説明には「登録事業者の倒産等の場合には、発注者に対して支払う金額は100%となります」とあります。

自社保証は、保証する会社が事業を続けていることが前提になります。保険はその弱点を補う位置づけです。

これから工事を頼む段階なら、契約前に加入の有無を聞いておくと安心材料になります。

出典:住宅瑕疵担保責任保険協会「リフォームのかし保険」

民法637条の「1年」を意識する

法律の根拠には期限があります。民法637条は、通知しなかった場合の効果をこう定めています。

要点は2つに分かれます。

  • 期限:「注文者がその不適合を知った時から一年以内にその旨を請負人に通知しないとき」
  • 効果:「その不適合を理由として、履行の追完の請求、報酬の減額の請求、損害賠償の請求及び契約の解除をすることができない」(履行の追完=直してもらうことの請求)

起算点は工事の日ではなく、契約の内容に適合しないことを知った時です。症状に気づいた日と一致しない場合もあります。

なお、通知の期限とは別に消滅時効の定めもあります。期限の全体像は、相談窓口や専門家に確かめてください。

同条2項には、引き渡しの時点で請負人が不適合を知っていた、または重大な過失で知らなかった場合はこの制限を適用しない、という例外もあります。ただし例外に頼る前提で先延ばしにするのは得策ではありません。

要するに、気づいたら早めに通知する。症状と補修を求める旨を書き、送受信の記録を保存しておいてください。

出典:e-Gov法令検索「民法」第637条

施工店への伝え方

伝え方で結果が変わります。責める言葉より先に、事実を並べるほうが早く動いてもらえます。

「南面の2階、窓の下あたりで、3月に見つけた膨れが5月には30cmほどに広がった」。この形で書けば、相手は現地で確かめる準備ができます。

公開されている相談事例でも、決め手になったのは契約書と見積書の記載でした。見積書に含まれていた工程が実際に行われたかという論点なら、感情ではなく書類で話せます。

先ほどの事例で弁護士が示したのも、条件つきの見解でした。契約にシーリングの打ち直しが含まれていたのなら、打ち直さずに塗装した場合は責任を追及できる、という組み立てです。

約束した工程が行われたかどうか。ここは書類で確かめられる領域です。

言い方も工夫できます。「手抜きですよね」ではなく「見積書のこの項目について、どう施工されたか教えてください」と聞けば、返ってくる答えが変わります。

見積書の項目の読み方は見積書チェックの記事にまとめています。手元の見積書を、この視点でもう一度読んでみてください。

出典:住まいるダイヤル 相談事例「外壁塗装のリフォーム工事後1年弱で塗料が剥がれてきた」

補修の選択肢と費用の考え方

外壁の一部を補修する塗装職人

直し方は原因で決まります。原因を特定しないまま上から塗ると、同じ場所で再発します。

部分補修で足りるのは、原因が局所的で、周囲の塗膜が健全な場合です。旧塗膜を落とす範囲、下塗り材の選び直し、中塗りと上塗りの仕様、目地の打ち替えの要否まで含めて計画します。

下塗り材は、素地に染み込ませて固めるシーラー、密着を助けるプライマー、細かい凹凸を埋めるフィラーと役割が違います。素地に合わない下塗り材を選ぶと、上に何を塗っても持ちません

広い範囲に出ている、素地側の要因がある、といった場合は塗り直しの検討になります。費用の分担は原因の判断とセットで、施工店側の責任が認められれば無償、経年劣化と判断されれば有償が出発点です(契約や保証の内容によって変わります)。

規模の差も大きく、1面の部分補修と足場を組み直しての全面塗り直しでは、金額の桁が変わります。目安は、部分補修が数万円から十数万円、全面の塗り直しは費用相場の記事の水準です。

いずれも参考値で、面積・足場・下地の状態によって上下します。

金額の目安は費用相場の記事を参考に、相見積もりで確かめてください。再発注のときも、まず原因を特定してから仕様を決めるのが順番です。

北海道では工事に向く時期が限られます。春や秋に見つけた場合、その年のうちに直すか翌シーズンに回すかの判断も要ります。

翌シーズンに回すとしても、通知と記録は先に済ませてください。

補修の提案を受けたときの注意

別の会社から「今の塗装は失敗している」と指摘され、そのまま契約を勧められることがあります。原因の説明が具体的か・書面で示されるかを確かめてください(訪問販売の断り方は訪問販売の記事へ)。

よくある質問

塗装後1年で剥がれてきました。施工不良ですか?

早い時期の剥がれは施工側の要因も疑われますが、それだけでは決まりません。出た場所・広がり方・外壁材・工事時期の天候を合わせて考えます。

公開されている相談事例には、工事後1年弱の剥がれについて、シーリングの打ち直しを省いた点を原因とみる弁護士の助言があります。

膨れは放置するとどうなりますか?

膜が破れて剥がれに進み、そこから水が入る可能性があります。範囲が広がるほど、補修の手間も費用も増える傾向があります。

気づいた時点で記録を取り、早めに施工店へ連絡してください。範囲が小さいうちなら、部分補修で収まる可能性も残ります。

DIYで補修できますか?

原因が分からないまま塗り重ねると再発します。まず原因の特定が先で、DIYでどこまで手を出せるかはDIYの記事で線引きしています。

保証があれば無償で直してもらえますか?

保証書の対象範囲によります。公開されている相談事例に、15年保証付きの工事で5年目に変色・色ムラが出たケースがありました。

このとき業者は「塗装剥離に関しては15年保証だが、変色・色ムラは保証の対象外」と主張しています。

まず保証書の対象と免責事項を読み、契約書や見積書との整合を確認します。保証の中身の読み方は保証とアフター点検の記事にまとめています。

膨れやすい外壁材はありますか?

蓄熱性の高い窯業系サイディングやALCパネルは、条件がそろうと膨れが出やすいとされています。弾性塗膜を剥がさずに塗り替えた場合は特に注意が要ります。

外壁材ごとの性格は外壁材の記事で解説しています。自宅の外壁材が分からないときは、そちらから確かめてください。

次に頼む業者はどう選べばいいですか?

原因が分かってから選ぶのが順番です。今回の症状を説明して、下地処理の内容と乾燥時間の考え方を答えられる会社を選んでください。

選び方の全体像は業者の選び方の記事で扱っています。

どこに相談すればいいですか?

まず施工店、次に住まいるダイヤル(03-3556-5147・受付10:00〜17:00、土・日・祝休日・年末年始を除く)や消費者ホットライン188です。記録をそろえてから相談すると、限られた時間を有効に使えます。

いずれの窓口も相談料はかかりません(通話料は別途)。話す内容を時系列でメモしてから電話してください。

出典:住まいるダイヤル 相談事例「15年保証付きの外壁塗装リフォーム工事において、5年目で外壁が変色」同「外壁塗装のリフォーム工事後1年弱で塗料が剥がれてきた」日本ペイント 塗料用語集「膨れ」

まとめ

外壁塗装のあとに出る「はがれ」は、戸建てのリフォーム相談でいちばん多い不具合でした。記録・原因の推定・根拠の確認という順番で進めれば、話し合いは事実の確認から始められます。

年数だけで施工不良と決めつけない。逆に「経年ですね」の一言で引き下がる必要もありません。

判断の材料は、公的資料とメーカーの技術資料の形で公開されています。この記事の出典リンクから、原典をそのまま確かめられます。

記事の内容に誤りの指摘や、専門家としての監修のご相談があれば、お問い合わせからお知らせください。

モルタル外壁では、塗膜側の劣化と下地側の症状を国が別の節で扱っています。モルタル外壁の塗装にまとめました。

基礎の面で起きる膨れとはがれは、内部の水分の抜け方が関わります。透湿性という言葉の意味は基礎の塗装で整理しました。

窯業系サイディングで膨れが出る条件は、窯業系サイディングの塗り替えでも触れています。

本記事は一般的な情報の整理で、個別の事案の判断や法的助言ではありません。掲載した金額・期間は各出典の時点の参考値です。実際の原因の特定や責任の所在は、現地を確認した専門家や相談窓口とご相談のうえ判断してください。

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